コレプス(旋毛虫):琵琶湖 2019年8月
繊毛中の顕微鏡写真撮影は難しいです。
具体的には動物プランクトンでは最速の部類で、
視野に捉えることが難しく、捉えたとしても画像がぶれてしまいます。
動きを封じるためにカバーガラスで押し付けると潰れてしまいます。
粘性の高い液体で動きを遅くする方法もあるようですが試していません。
このような理由から、これまでに撮影に成功したのはミドリゾウリムシだけでした。
しかし、そうはいっても主要な動物プランクトンなので無視するわけにもいかないです。
まずは丈夫でありふれた繊毛中から撮影を試すことにしました。
撮影を試みたのはコレプス(タルガタゾウリムシ、ヨロイミズケムシ)です。
淡水微生物図鑑(月井雄二著)によれば
池沼、水田、湿原などに広く分布するそうです。
上側の2枚の写真では格子状の構造を確認できます。
淡水微生物図鑑によれば、細胞表面に四角形の板が規則的に配列していることが特徴。
同定が容易ですね。
左下の写真は何かを捕食中のようです。右下の写真は細胞内の様子で消化中の餌物質が見えます。
繊毛も見えますね。
こちらはカバーガラスを押し付けて動きを封じた様子です。
やはり細胞の両端から原形質が漏れ出していますね。
もう少し工夫する必要がありそうです。
光量を大きくして露出を早くするのが解決法だと思うのですが難しいですね。
今回撮影した個体は琵琶湖の湖北水鳥ステーションで採取しました。
水温は27.5℃、ph7.0でした。
他にはウチワヒゲムシ、カラヒゲムシなどが見つかりました。