カニダマシに寄生していたエビヤドリムシ:伊豆半島 2019年3月
今回もエビヤドリムシの話です。
3月に伊豆半島の下田で採取したカニダマシに
エビヤドリムシが寄生していました。
宿主のカニダマシはおそらくイソカニダマシだと思います。
カニに似ていますが、異尾下目、ヤドカリのなかまです。
ハサミを含めて脚が8本しか見えないですよね。
ヤドカリは十脚目に属していて、
その名の通り脚は10本あるのですが、
尾側の一対の脚は小さくなっていて目立ちません。
また、よく見ると触覚が長く、
カニとは大きく違います。
つまり、カニダマシはカニではなくヤドカリの仲間で、
そこにエビヤドリムシが寄生していました。
カニ、ヤドカリ、エビとややこしいですね・・・。
右側の写真はデジカメ(TG5)でマクロ撮影したエビヤドリムシです。
こんな形をしていますが、
ダンゴムシやダイオウグソクムシと同じ等脚類のなかまです。
こちらもデジカメで撮影したエビヤドリムシで、
腹側から撮影しています。
体節があるのでかろうじて甲殻類とわかります。
こちらは寄生されていたカニダマシ。
というか、寄生虫の様子です。
矢印の位置にエビヤドリムシの一部が見えています。
家に持ち帰って詳細に観察してから、
エビヤドリムシの存在に気が付きました。
こちらは同じエビヤドリムシを実体顕微鏡で撮影した画像です。
少しずつ焦点をずらしながら撮影しました。
前回のモエビに寄生していたエビヤドリムシとは
ずいぶん形が違います。
モエビに寄生していたエビヤドリムシは左右非対称でしたが、
今回のヤドリムシは、ほぼ左右対称です。
体の周囲にひらひらのヒレのような構造があるのも特徴です。
腹部(右側)のヒレ状構造は特に目立ちますね。
少し拡大した画像です。
体の両側に胸脚があるのがわかります。
胸脚は斜めから見たほうが分かりやすいかもしれないですね。
こちらは暗視野照明で撮影した画像です。
暗視野のほうがヒレ状の構造が分かりやすいです。
右下の画像は腹側から観察した画像です。
腹側から見ると左右非対称であることが分かります。