等脚類

2019年6月 7日 (金)

モエビに寄生していたエビヤドリムシ 2019年3月 伊豆

1__3

エビヤドリムシという生物を知っているでしょうか?
とてもマイナーな生物だとは思いますが、
不思議な魅力のある甲殻類です。

エビヤドリムシはエビやカニに寄生する甲殻類で、
ダンゴムシ、ワラジムシ、ダイオウグソクムシなどと同じ
等脚類のなかまです。
等脚類のなかにヤドリムシ亜目という分類群がいますが、
これは別の寄生生物で、エビヤドリムシはウオノエ亜目に属しています。
このあたりは最近、分類の亜目、科レベルの分類の再編があったようで、
甲殻類の画像集のページ構成も修正が必要かもしれません。

さて、写真のヤドリムシは伊豆半島で採取したモエビに寄生していました。

21__1

親子みたいに見えますが、
寄生者と宿主です。
哺乳類などの寄生虫と比べて、
宿主に対してとても大きいです。
実際、このモエビは少し弱っていました。

モエビの頭胸部側面が青色に腫れていますが、
この部分には鰓があって、エビヤドリムシはそこに寄生していました。

3__2

これが寄生場所から外れかかっている状態です。
慌てて写真を撮ったので露出不足です。

4__25__2

この4枚の写真のうち、
右側が腹側、左側が背側なのですが、
ほとんど同じです。
等脚類とは思えないですね。
というか、これだけ見たら甲殻類とも思わないかも。
変形が著しいのが寄生生物の特徴ですね。

6__2

こちらは腹側を暗視野照明と明視野照明で撮影した画像です。
左側が暗視野、右側が明視野です。
明視野のほうが分かりやすいですが、
エビヤドリムシにも一応、脚があります。
矢印の部分です。
他の等脚類と同じく7対の胸脚があるみたいですね。

7__2

こちらの写真は脚の拡大画像です。

さて、このエビヤドリムシ。
エビヤドリムシ科に属しているのは間違いないですが、
属レベルの分類はさっぱりわかりません。
文献もあまりないですし、
そもそもエビヤドリムシに興味のある人が少ないかも。

ただ、寄生生物は面白いですね。

2017年1月12日 (木)

キクイムシ? 2016年3月 房総半島野島崎

「ウミクワガタのプラニザ幼生(Praniza)」に頂いたコメントへの返信記事です。

キクイムシの記載があった図鑑は、
原色検索 日本海岸図鑑[II]になります。
初本と[II]の間でどの程度の違いがあるのかはわからないのですが、
Limnoria lignorumとL. andrewsiについて書かれているので、
[II]でも、キクイムシの記載は変わっていないと思います。

頂いたコメントでは「亜目不明の等脚類のページ」のキクイムシについて
同定していただきました。
分類群03 5a~ 7cです。

「ねこのしっぽ」ではまだ公開していないのですが、
2015年3月に房総半島南端の野島崎でも
キクイムシと思われる等脚類を採取していましたので、
ここで紹介します。

150323___2_2560x1920_x40_500m_01
150323___2_2560x1920_x40_500m_03
150323___2_2560x1920_x40_500m_02
150323___2_2560x1920_x40_500m_04

この個体も夜間のネットサンプリングで採取しました。

スケールは500μmです。

胸部、腹部の幅が広く、相対的に頭が小さいですが、
全体的な印象がキクイムシに似ているように思います。

腹側からの画像では、尾肢の先端が尖っているように見えますが、
尾肢先端部分の高倍率の写真を撮っていなかったので、
外枝なのか内枝なのか判別が難しいです。

次回は、尾肢に着目して写真を撮りたいと思います。

コメントへの返信になりますが、
キクイムシの同定、ありがとうございました。
今後とも宜しくお願いいたします。

2016年12月26日 (月)

ウミクワガタのプラニザ幼生(Praniza)

今週はこんな生物です。

20150919_4_x40_2560x1920_200m01

20150919_2_x40_2560x1920_200m01

20150919_1_x40_2560x1920_200m

ウミクワガタのプラニザ幼生(Praniza)と思われます。
ただ、資料が少なく詳細な分類はわかりません。
ウミクワガタは等脚類の一種でダンゴムシに近い仲間です。
その名の通り、雄の成体はクワガタのような
立派な大顎を持ちます。
雌は雄とは異なり、大顎は小さく、
胸部が大きく膨らんでいます。
雄と雌、それにプラニザ幼生は
形が全く異なるので分類が難しいようです。

ネット(Wikipedia)の情報によれば、
ウミクワガタのプラニザ幼生は魚類の体液を吸うようです。
そうであれば胸部内が赤色(血液の色)なのは理解できるのですが、
たまに緑色の個体もいるので、やや謎です。
吸血前なのでしょうか?

いつか立派な大顎をもつ成体のウミクワガタを
観察したいですね。

*写真のスケールは200μmです。