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ヨコエビの同定記録

2017年1月29日 (日)

カマキリヨコエビ 2016年9月北海道

今回はカマキリヨコエビ(Jassa 属)です。
カマキリヨコエビの雄は第2咬脚が大きくて、
かっこよいです。

かっこよいのですが、
何しろ昆虫のカマキリに比べると小さいので(3mmくらい)
男の子たちの興味を引くことはないでしょう・・・。

今回解剖する個体はこちらです。
北海道で採取しました。
第2触覚柄部は第1触覚よりも長いことが特徴です。
第2咬脚が大きいので雄です。
体長は3.4mm、スケールは200μmです。

Im160919___80_x3_2560x1920_500m

まずは第3尾肢です。

Im160919___80_3_x100_2560x1920_100m

スケールは100μmです。
先端にカギ爪のような構造があります。
日本海岸動物図鑑[II]のカマキリヨコエビ
Jassa slatteryi)のイラストに似ています。

次に第1咬脚です。
スケールは200μmです。

Im160919___80_1_x40_2560x1920_200m

掌部に2個の膨らみがあります。
これも特徴かもしれません。

第2咬脚です。
スケールは200μmです。

Im160919___80_2_x40_2560x1920_200m

第6節(前節)の基部近くの突出部(矢印の部分)が
棒状に伸びています。
これはカマキリヨコエビの特徴です。

次は第3胸脚です。
スケールは200μmです。

Im160919___80_3_x100_2560x1920_200m

分かりにくい特徴ですが、
第4節(長節)の末端(矢印の部分)が第5節(腕節)の
先端付近まで伸張しています。
この特徴は日本海岸動物図鑑[II]のカマキリヨコエビ
Jassa slatteryi)の記載に一致します。

次は第4胸脚です。
スケールは200μmです。

Im160919___80_4_x100_2560x1920_200m

第3胸脚と同じく、
第4節(長節)の末端(矢印の部分)が第5節(腕節)の
先端付近まで伸張しています。

第5胸脚です。
スケールは200μmです。

Im160919___80_5_x40_2560x1920_200m

第6胸脚です。
スケールは200μmです。

Im160919___80_6_x40_2560x1920_200_2

第7胸脚です。
スケールは200μmです。

Im160919___80_7_x40_2560x1920_200m

今回は同定が上手くいった方だと思います。
日本海岸動物図鑑[II]のおかげですね。

2017年1月22日 (日)

ハマトビムシ上科 2016年4月 新潟県柏崎市

今回は久しぶりにヨコエビです。
2016年4月に新潟県柏崎市で採取しました。
この種は触覚の柄部や第1咬脚に特徴があります。

 

160505_43004__63_x1_2560x1920_2mm

 

スケールは2mmです。
ハマトビムシ上科(Talitroodae)なのは間違いないと思います。
モクズヨコエビ科(Hyalidae)に似ているのですが、
詳細な同定には第3尾肢や尾節板を確認する必要があるらしいです。
とりあえず、今年のサンプリングでこの種が見つかったら
忘れずに第3尾肢と尾節板を確認しましょう。
今年はハマトビムシ上科の同定を進めたいです

 

まず第1触覚です。
柄部は濃い色で太くなっています。
スケールは500μmです。

 

160505_43004__63_1_x5_2560x1920_500

 

続いて第2触覚です。
第2触覚も柄部は濃い色で太くなっています。
鞭部は12節です。
スケールは500μmです。

 

160505_43004__63_2_x5_2560x1920_500

 

こんどは第1咬脚です。
ゲンコツのような形で特徴的です。
スケールは500μmです。

 

160505_43004__63_12_x40_2560x1920_5

 

第2咬脚です。
よく発達しているの雄の個体と思います。
スケールは500μmです。

 

160505_43004__63_2_x5_2560x1920_5_2

 

第3胸脚です。
スケールは500μmです。

 

160505_43004__63_3_x5_2560x1920_500

 

第4胸脚です。
スケールは500μmです。

 

160505_43004__63_4_x5_2560x1920_500

 

第5胸脚です。
スケールは500μmです。

 

160505_43004__63_5_x5_2560x1920_5_2

 

第6胸脚です。
スケールは500μmです。

 

160505_43004__63_6_x4_2560x1920_500

 

第7胸脚です。
スケールは500μmです。

 

160505_43004__63_7_x4_2560x1920_500

 

最後に尾肢です。
スケールは500μmです。

 

160505_43004__63__x5_2560x1920_500

 

残念ながら、側面からでは内枝、外枝の構造が分かりにくいです。
特徴を調べるには正面から観察する必要がありそうです。
第2尾肢、第3尾肢に棘がありますが、
これは同定に有効な特徴かもしれません。

2016年12月 5日 (月)

イッケヒゲナガヨコエビ属(Peramphithoe sp.) 千葉県2015年3月

今回もヨコエビです。

ヨコエビの脚をバラバラにして撮影するのは
残酷に思えるかもしれません。
なので、ヨコエビのデータ収集を始めた当初は
全体写真しか撮影しませんでした。
ところが、全体写真だけでは種レベルの同定はおろか、
科レベルの同定も難しい!
これではせっかくの標本も無駄になってしまうので、
去年あたりから積極的に解剖を行うことにした次第です。
そこまでして名前を調べることに意味があるのかという
哲学的問題もありますが。

死んでいると思ったヨコエビから脚を外すと、
どういうわけか脚が動き出したり、
1cm程度の大きさのヨコエビでも結構臭いがあったり
リアルに生死を感じる世界なのですが、
スーパーに並ぶカニの脚を見ていると思えば
無心になれるかもしれません。

さて前置きが長くなりましたが、
今回のヨコエビです。
2015年3月に房総半島先端の野島崎で採取しました。

写真1
150324__26_1280x960_x2

写真2
150324__26_1280x960_x40_


写真1は上から照明をあてた画像、
写真2は下から照明をあてた暗視野画像です。

このヨコエビは以前に掲示板でHo(No67)さんに
「ヒゲナガヨコエビ科のようです。
Peramphithoeだと思います。」とコメントを頂いていました。
ただ、そのときは全体写真だけだったので
今回は細部まで詳細に見ておきたいと思います。

Peramphithoeは日本海岸動物図鑑[II]では
イッケヒゲナガヨコエビ属と和名が付けられています。
日本海岸動物図鑑[II]によれば、
近縁のヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)とは、
「第1底節は前方に進展しない、
第3、第4胸脚の基節は膨れて楕円形」
であることで区別されています。

残念ながら、第1底節がよく見える写真がなかったので、
まずは第3胸脚から見ていきます。
150324__26_31_25601920_x40

たしかに「基節は膨れて楕円形」です。
もうこれだけでもPeramphithoeとして良さそうです。

次に第4胸脚です。
150324__26_41_25601920_x40

「基節は膨れて楕円形」です。

第5胸脚です。
150324__26_51_25601920_x40

基節はむしろ円形です。
日本海岸動物図鑑[II]のトウヨウヒゲナガ
(Peramphithoe orientalis)の第5胸脚のイラストに似ています。

第6胸脚です。
150324__26_61_25601920_x40

第7胸脚です。
150324__26_71_25601920_x40

変則的ですが第1咬脚です。
150324__26_11_25601920_x40

第2咬脚です。
150324__26_21_25601920_x40


日本海岸動物図鑑[II]のトウヨウヒゲナガ
(Peramphithoe orientalis)のイラストよりも
指節が短いです。
トウヨウヒゲナガではなさそうです。

あまり同定の役にはたちませんが口器の部分も見ましょう。
顎脚です。
150324__26__25601920_x40

大顎です。
150324__26__25601920_x40_2

小顎です
150324__26_1_25601920_x40

やはり、Ho(No67)さんの見立て通り、
イッケヒゲナガヨコエビ属(Peramphithoe sp.)で良さそうです。
無事に名前が付きました。

2016年11月28日 (月)

ユンボソコエビ科 新潟県2016年4月

今回もヨコエビですが、
写真少なめです。

そういえば、このブログに掲載されている写真の
半分くらいはヨコエビの脚かもしれません。
カニの脚と思えば美味しそうかも?

今回のヨコエビはこれです。
160503_430__32_x3_2560x1920

GWに新潟で採取したヨコエビです。
第1咬脚が大きいのでユンボソコエビ科だとは思います。

ユンボソコエビ科には、
ドロソコエビ属とユンボソコエビ属があって、
第3尾肢が単枝か、双枝かが決め手なのですが、
03174146
この写真では角度が悪い・・・。
単枝か、双枝か、これでは判断できません。
GWの時の私は経験が浅かった・・・。

今回はユンボソコエビ科にとどめておきましょう。

とりあえず、第1咬脚です。
160503_430__32_12_x40_2560x1920

第2咬脚です。
160503_430__32_21_x40_2560x1920

教訓としては、
第3尾肢と底節板は、どんなヨコエビでも確認すること、
ですね。

2016年11月20日 (日)

ヤシャヒメヨコエビ属(Abludomekita) 北海道2016年9月

ここのところヨコエビブログになっていますが、
今回もヨコエビです。
ヨコエビ以外に好きなものというと、
最近ではダニ(ササラダニ)とかも面白いですね。

今回はこのヨコエビです。
Im160919___69_x1_2560x1920

北海道の積丹半島で採取しました。
メリタヨコエビと思いますが、よく観察して見ましょう。

まずは第3尾肢です。
Im160919___69_3_x40_2560x1920

内枝が小さいです。
鱗状と言うよりは突起状ですが、
少なくとも外枝よりも内枝がはるかに小さいので、
メリタヨコエビ属(Melita)か、ヤシャヒメヨコエビ属
(Abludomekita)だと思います。

さらに第3尾肢を追求します。
先ほどの写真では分かりにくかったですが、
こちらの違う向きで本体とつながっている写真をみると、
先端に小さな節があるように見えます。
Im160919___69__x40_2560x1920

さらに拡大します。
Im160919___69__x100_2560x1920


第3尾肢の外枝の先端部に小さな先端節があることがわかります。
日本海岸動物図鑑[II]によれば、これは
ヤシャヒメヨコエビ属(Abludomekita)の特徴とのことです。

写真を撮っていたときには先端節に気がつかなかったのですが、
写真はできるだけ色々なアングルで撮っておくものですね。

では他の特徴もみます。

まず第1触覚の副鞭です。
Im160919___69__x100_2560x1920_2

副鞭は4節あります。

第1咬脚です。
Im160919___69__x40_2560x1920_2

Im160919___69__x100_2560x1920_3

不思議な構造をしていますが、
メリタヨコエビ属(Melita)とヤシャヒメヨコエビ属
(Abludomekita)と共通の特徴と思います。

第2咬脚です。
Im160919___69_2_x40_2560x1920

メリタヨコエビ属(Melita)と同じく棘が密生しています。

第3胸脚です。
Im160919___69_3_x40_2560x1920_2

細くて長いですね。

第4胸脚です。
Im160919___69_4_x40_2560x1920

第3胸脚と似ています。

第5胸脚です。
Im160919___69_5_x40_2560x1920

棘が多いです。

第6胸脚
Im160919___69_6_x40_2560x1920

しっかりとした歩脚です。

第7胸脚
Im160919___69_7_x40_2560x1920

第6胸脚と似ています。

総合的に今回のヨコエビはヤシャヒメヨコエビ属
(Abludomekita)でよさそうです。

なお、日本海岸動物図鑑[II]によれば、
メリタヨコエビ属(Melita)とヤシャヒメヨコエビ属
(Abludomekita)はよく似ていて、
近い将来に再統合される可能性があるとのことです。
実際、フトメリタヨコエビは、
Abludomelita rylovaeでも、Melita rylovaeでも
検索に引っかかります。
シノニムですね~。

2016年11月13日 (日)

ハマトビムシ科(2属) 新潟県(出雲崎町)2016年4月

今回もハマトビムシ科(Talitridae)の同定です。
GWに新潟県(出雲崎町)で採取しました。

まず、この個体です。
160502_42901__18_x1_2560x1920_

第1触覚の拡大画像です。
160502_42901__18_x5_2560x1920_

第1触覚は短く、これはハマトビムシ科の特徴です。

こちらは第2触覚の基部に焦点を合わせた画像です。
160502_42901__18_x5_2560x1920__2

第2触覚の柄部に突出部があります。
これはニッポンスナハマトビムシ(Talorchestia nipponensis)
の特徴です。
ニッポンスナハマトビムシの近縁種に
タイリクスナハマトビムシ(Talorchestia sinensis)があります。

こちらは第1咬脚です。
160502_42901__18_1_x4_2560x1920_
こぶ状の突起があります。
これはハマトビムシ科の特徴かもしれません。

第2咬脚です。
160502_42901__18_22_x4_2560x1920_

第2咬脚の掌部に突起があります。
この突起の形状は日本海岸動物図鑑のニッポンスナハマトビムシ
のイラストによく似ています。
タイリクスナハマトビムシは2個の突出部があるので、
明瞭に区別できます。

第3胸脚です。
160502_42901__18_3_x3_2560x1920_

短い歩脚です。

第4胸脚です。
160502_42901__18_4_x3_2560x1920_

短い歩脚です。

第5胸脚です。
160502_42901__18_5_x3_2560x1920_
短い歩脚です。

第6胸脚です。
160502_42901__18_6_x2_2560x1920_
やや長い歩脚です。

第7胸脚です。
160502_42901__18_7_x2_2560x1920_
やや長い歩脚です。

最後に尾部です。
160502_42901__18__x5_2560x1920_
第1尾肢に着目します。
タイリクスナハマトビムシの第1尾肢は先端に長い棘があるそうですが、
この個体の第1尾肢には長い棘がありません。

総合的に見て、ニッポンスナハマトビムシ(Talorchestia nipponensis)
で間違いなさそうです。

もうひとつ、こちらのハマトビムシも同定します。
こちらもGWに新潟県(出雲崎町)で採取しました。

全体像です。
160502_42902__21_x1_2560x1920

第1咬脚です。
160502_42902__21_1_x40_2560x1920

第2咬脚です。
160502_42902__21_2_x40_2560x1920

不明瞭ですが、掌部に2つの突出部があります。
これはヒメハマトビムシ(Platorchestia platensis)
の特徴です。
未成熟個体では掌部に2つの突出部は不明瞭とのことです。
(日本海岸動物図鑑)

第3胸脚です。
160502_42902__21_3_x4_2560x1920
短い歩脚です。

第4胸脚です。
160502_42902__21_4_x4_2560x1920
短い歩脚です。

第5胸脚です。
160502_42902__21_5_x4_2560x1920
短い歩脚です。

第6胸脚です。
160502_42902__21_6_x3_2560x1920
やや長い歩脚です。

第7胸脚です。
160502_42902__21_7_x3_2560x1920
やや長い歩脚です。
第7胸脚の長節と腕節が細いので、ニホンヒメハマトビムシ
(Platorchestia pachypus)から区別できます。

最後に触覚です。
160502_42902__21__x5_2560x1920

第1触覚が、第2触覚よりも短いことがわかります。
これはハマトビムシ科(Talitridae)の特徴です。

総合的に見て、ヒメハマトビムシ(Platorchestia platensis)
として問題ないようです。

2016年11月 6日 (日)

ハマトビムシ2種 北海道(石狩市)2016年9月

今回はハマトビムシ科(Talitridae)の同定です。
世界に33属、日本からは7属知られているとのことです。
(日本海岸動物図鑑)

 

特徴は陸域に分布することです。
水際に近い砂浜から、内陸の森林土壌まで、
広範囲に分布します。
形態的には第1触覚が短いことが特徴です。
飛び跳ねるようにジャンプすることも特徴です。

 

今回同定するハマトビムシは北海道(石狩市厚田区望来)
で採取しました。
望来はもともと海水浴場だったようですが
今ではかなり荒廃していて海岸に近づくのも一苦労でした。

 

まずこちらのヨコエビ(ハマトビムシ科)です。
Im160916__6_x067_2560x1920

ヨコエビとしては大型で2cm近くあります。
海藻の下から、手でつまんで採取しました。
第2触角が長いですね。

 

こちらが、その第2触角です。
Im160916__6_2_x1_2560x1920

第2触角の鞭部が柄部よりも長いことが特徴です。
この特徴は日本海岸動物図鑑のホソハマトビムシ
(Paciforchestia pyatakovi)に似ています。
ホソハマトビムシは北海道から九州までの日本海側と、
北海道から伊豆半島までの太平洋側に分布するそうです。

 

こちらは第1触角です。
Im160916__6__x40_2560x1920

短いです。
ハマトビムシ科(Talitridae)の特徴です。

 

次に第1咬脚です。
Im160916__6_1_x2_2560x1920
Im160916__6_1_x40_2560x1920

こぶ状の突起があります。

 

第2咬脚です。
Im160916__6_2_x2_2560x1920

第2咬脚の掌部は滑らかで、日本海岸動物図鑑の
ホソハマトビムシのイラストに似ています。

 

第3咬脚です。
Im160916__6_3_x2_2560x1920
歩脚状です。

 

第4咬脚です。
Im160916__6_4_x2_2560x1920
歩脚状です。

 

第5咬脚です。
Im160916__6_5_x2_2560x1920
歩脚状です。

 

第6咬脚です。
Im160916__6_6_x1_2560x1920
長い歩脚です。

 

第7咬脚です。
Im160916__6_7_x1_2560x1920
長い歩脚です。

 

日本海岸動物図鑑のホソハマトビムシの記載には、
腹肢の記載もあります。
ホソハマトビムシの腹肢は未発達で、
内枝、外枝は1~2節とのこと。

 

別の個体で確認します。

 

別の個体です。
Im160917__15_x067_2560x1920

ちなみに上から見るとこうです。
Im160917__15_x067_2560x1920_2

第6、第7胸脚が長いことがよくわかります。

 

さて、本題の腹肢です。
Im160917__15_2_x4_2560x1920

これは第1腹肢です。
確かに未発達です。
複数の節があるようにも見えますが、
合体して一枚の板のようにも見えます。
ただ、日本海岸動物図鑑のホソハマトビムシの
腹肢のイラストよりもはるかに複雑です。

 

ついでに顎脚です。
Im160917__15__x40_2560x1920
同定ですが、腹肢の形状に若干の疑義があるので、
今回は、ホソハマトビムシ?(cf. Paciforchestia sp.)
ということにします。

 

今回は2本立てで、次のハマトビムシ(ヨコエビ)も用意しました。
こちらも北海道(石狩市厚田区望来)で採取しました。
1個体だけなので、やや貴重な個体です。

 

このハマトビムシです。
Im160916__10_x1_2560x1920

こちらは明視野像(上からの照明)で観察した画像です。

 

暗視野像もあります。
Im160916__10_x1_2560x19202

暗視野像では、短い第1触覚を確認できます。

 

こちらは第1咬脚です。
Im160916__10__x40_2560x1920

こぶ状の突起があります。

 

こちらは第2咬脚です。
Im160916__10_2_x40_2560x1920

不明瞭ですが、掌部に2つの突出部があります。
これはヒメハマトビムシ(Platorchestia platensis)
の特徴です。
ヒメハマトビムシの近縁種にニホンヒメハマトビムシ
(Platorchestia pachypus)がいますが、
こちらは第2咬脚掌部が波打っていること、
第7胸脚の長節と腕節が肥厚していることから
区別できます。

 

今回は第7胸脚の分離に失敗したのですが、
全体像を見る限り、肥厚しているようには見えないので、
ヒメハマトビムシ(Platorchestia platensis)と
同定して良さそうです。

2016年10月30日 (日)

ヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe sp.2) 小樽市2016年9月

今回は今年の秋に北海道で採取したヒゲナガヨコエビ科(Amphithoidae)です。
Im160916__1_x1_2560x1920

積丹半島の付け根(小樽市忍路海岸)で採取しました。
海中のアオサを網でガサガサして採取しました。
生きているときは綺麗な緑色でしたが、
観察時にはやや色あせてしまいました。

大まかな形状はGWに長岡市で採取した
ヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe sp.)に似ています。
立派な第2咬脚を持っているので雄です。

今回もまずは第3尾肢から観察します。
Im160916__1_3_x40_2560x1920
Im160916__1_3_x100_2560x1920

外枝の先端部に一対の牙のような棘があります。
これはヒゲナガヨコエビ科の特徴です。

次に第1咬脚を観察します。
Im160916__1__x4_2560x1920
Im160916__1__x40_2560x1920

画像の上側の薄い板状の部分は底節板です。
この底節板が前方に張り出していたらヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)です。
(日本海岸動物図鑑)
この個体の第1底節板も前(画像左側)に伸びています。

第2咬脚です。
Im160916__1_2_x2_2560x1920
Im160916__1_2_x40_2560x1920

第2咬脚の前節(先端から2番目の節)の掌部
(先端の節がくっつく場所)が鋭角的に曲がっています。
これは日本海岸動物図鑑のニッポンモバヨコエビ
(Ampithoe lacertosa)のイラストに似ています。

第3胸脚です。
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第3胸脚の基節は細長くヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)に似ています。

第4胸脚です。
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第4胸脚の基節も細長くヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)の特徴です。

第5胸脚です。
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基節は楕円形で根元が最も膨らみます。
これはヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)の特徴です。

第6胸脚です。
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細長い歩脚です。

第7胸脚です。
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細長い歩脚です。
脚の先端が欠損しています。
ヨコエビにはよくあることです。

おまけに顎脚です。
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顎脚は脚が食べ物を保持するための口器に変化したものです。
分類的に重要なのかどうかわからないですが、
念のために撮影しています。

総合的に見てヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)で問題ないようです。
ニッポンモバヨコエビ(Ampithoe lacertosa)に似ていますが、
日本海岸動物図鑑に記載されている
「第2、第3側板の後縁下部の鋭い歯」を確認できなかったので、
ヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe sp.2)としておきます。

大まかな形状はGWに長岡市で採取した
ヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe sp.1)と同種かもしれませんが、
まずは分けておきます。

2016年10月24日 (月)

ヒゲナガヨコエビ属?(cf. Ampithoe sp.) 新潟市2016年5月

今回もGWに新潟市で採取したヒゲナガヨコエビ科(Amphithoidae)です。

さて、今回のヨコエビはこれです。
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大きな第2咬脚を持つので雄です。
タイドプールの海藻を網でガサガサして採取しました。

まずは尾部を観察します。
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こちらは尾部を横から見たところ。
尾部の左上の部分が第3尾肢です。

こちらは尾部を広げたところです。
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尾肢は3対あります。
そのなかの中央の1対が第3尾肢です。

さて第3尾肢を拡大します。
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外枝の先端部に一対の牙のような棘があります。
これはヒゲナガヨコエビ科の特徴です。

次に第1咬脚を観察します。
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画像の右側の薄い板状の部分は底節板です。
この底節板が前方に張り出していたらヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)です。
(日本海岸動物図鑑)
確かに前方に伸びているように見えます。

次は第2咬脚です。
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第2咬脚の前節(先端から2番目の節)の掌部
(先端の節がくっつく場所)に突起があります。

その部分の拡大画像です。
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先端は櫛状になっています。
この構造は前回のヒゲナガヨコエビ属の1種には見られませんでした。
この種の特徴かもしれません。

次は第3胸脚です。
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第3胸脚の基節は細長くヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)に似ています。

第4胸脚です。
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やはり基節は細長くヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)に似ています。

第5胸脚です。
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基節が丸くなっています。
この構造は先週のヒゲナガヨコエビ属の1種には見られませんでした。
むしろイッケヒゲナガヨコエビ属(Peramphithoe)に似ています。
ただ、イッケヒゲナガヨコエビ属のトウヨウヒゲナガ
(Peramphithoe orientalis)とは第2咬脚の形状が異なります。

第6胸脚です。
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細長い歩脚です。

第7胸脚です。
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細長い歩脚です。

総合的に見るとヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)に似ています。
ただ、一部に日本海岸動物図鑑のニッポンモバヨコエビ
(Ampithoe lacertosa)のイラストと異なる特徴もあり、
確信に欠けます。

今回はヒゲナガヨコエビ属?(cf. Ampithoe sp.)としておきます。

2016年10月22日 (土)

ヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe sp.) 長岡市2016年5月

今回から複数回、ヒゲナガヨコエビ科(Amphithoidae)を同定します。

ヒゲナガヨコエビ科はドロクダムシ上科(Corophioidae)に属しています。
ドロクダムシ上科には他に、ユンボソコエビ科(Aoridae)、
ドロクダムシ科(Corophiidae)、イシクヨコエビ科(Isaeidae)、
カマキリヨコエビ科(Ischyroceridae)、ドロノミ科(Podoceridae)
などがあります。

ヒゲナガヨコエビ科は海藻上で生育するので、
海岸(磯)で海藻を網に入れてガサガサすると採取できます。
綺麗な緑色の種類もいます。

さて、今回のヨコエビはこれです。
大きな第2咬脚を持つので雄です。
(雌では種レベルの同定が難しいそうです。)
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GWに長岡市で採取しました。

まずは第3尾肢をみてみます。
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外枝の先端部に一対の牙のような棘があります。
これはヒゲナガヨコエビ科の特徴です。

次に第1咬脚の根元、第1底節に着目します。
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やや分かりにくいですが、
低節は前方(頭部側)に張り出しているようです。
これはヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)の特徴です。

今度は脚を個別に見ていきます。

まず第1咬脚です。
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日本海岸動物図鑑のニッポンモバヨコエビ
(Ampithoe lacertosa)のイラストに似ています。

第2咬脚です。
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こちらもニッポンモバヨコエビ
(Ampithoe lacertosa)のイラストに似ています。

第3胸脚です。
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写真右上の楕円形の構造はエラです。
基節(脚の根元の節)は細長い楕円形です。
イッケヒゲナガヨコエビ属(Peramphithoe)では
基節が膨れるとのことです。
(日本海岸動物図鑑)

第4胸脚です。
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第3胸脚と似ています。
基節は細長い楕円形です。

第5胸脚です。
160502_43001__15_5_x3_2560x1920

基節は楕円形で根元が最も膨らみます。
これはヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)の特徴です。

第6胸脚です。
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細長い歩脚になっています。

第7胸脚です。
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第6胸脚と同じく細長い歩脚になっています。

総合的に見てヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)で問題ないようです。
ニッポンモバヨコエビ(Ampithoe lacertosa)に似ていますが、
日本海岸動物図鑑に記載されている
「第2、第3側板の後縁下部の鋭い歯」を確認できなかったので、
ヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe sp.)としておきます。