ヨコエビの同定記録

2020年6月20日 (土)

ヨコエビ画像集の更新案内6 タテソコエビ科 Stenothoidae Boeck, 1871

1月ぶりにヨコエビ画像集の更新案内です。
まだ終わってなかったんです。
今回はタテソコエビ科(Stenothoidae)です。
タテソコエビ科は世界に18属、日本からは1属2種が知られています。
第1底節は小さく、第2底節の下に大部分が隠れます。
第4底節は非常に大きく、下縁は丸く弧を描き、後縁は切断的になります。
大顎の臼歯と顎脚の外葉を欠くことも特徴です。
代表種のタテソコエビ(Stenothoe valida)は体長5mm、
山陰から九州西岸に生息するとのことです。

23_stenothoe-sp6
新潟県糸魚川市で採取したタテソコエビ属(Stenothoe sp.6)です。
小さいため解剖が難しく、細かな特徴をつかめていません。
新潟県出雲崎と秋田県男鹿市で採取したタテソコエビ科(Stenothoidae)の1種と
同種かもしれませんが、よく分からないので分けています。
いずれにせよ、日本海側に分布する種のようです。

太平洋側からも似たような種(Stenothoe sp.1)が見つかっていますが、
種レベルの同定ができていません。
Stenothoe sp.1は南房総、牡鹿半島と瀬戸内海の明石から見つかっています。

24_stenothoe-sp7
茨城県ひたちなか市で採取したタテソコエビ属(Stenothoe sp.7)です。
体表面に筋状の模様があることが特徴です。
Stenothoe sp.1よりも明らかに大きく、別種と思われます。
今の技術レベルなら、これくらいの大きさがあれば解剖できるかもしれません。

25_stenothoe-sp5
北海道登別市タテソコエビ属(Stenothoe sp.5)です。
底節板が大きいことからタテソコエビ科と同定しましたが、
第1触角の柄節が太いことが気になります。

26_stenothoe-sp3
北海道紋別市で採取したタテソコエビ属(Stenothoe sp.3)です。
登別から採取した個体と同じく、第1触角の柄節が太いです。
このタイプの種(あるいは属)は北方系なのかもしれません。

次回はメリタヨコエビ科 Melitidae Bousfield, 1973です。

2020年5月 6日 (水)

ヨコエビ画像集の更新案内5 アゴナガヨコエビ科 Pontogeneiidae Stebbing, 1906

GWも終わりですね。

緊急事態宣言の延長に『まどマギ』第3話と同じくらいの衝撃を受けましたが、
今回も代表的なヨコエビを紹介していきます。

アゴナガヨコエビ科(Pontogeneiidae)は世界に4属、
日本からはアゴナガヨコエビ(Pontogeneia rostrata Gurjanova, 1938)
だけが知られています(日本海岸動物図鑑II)。
ただ、茨城県の沿岸ではアゴナガヨコエビ科が複数種見つかっていますし、
日本海岸動物図鑑にも形態的によく似た未記録種が日本の海岸に多数分布するとの記述があります。
日本海岸動物図鑑自体、1980年代の知見なので現在は日本から複数種記載されている可能性があります。

代表種のアゴナガヨコエビ(Pontogeneia rostrata Gurjanova, 1938)の
尾節板は基部の幅の約1.5倍で、先端から約2/3で双葉となり、その先端は幅広く広がります。
一方で、形態的にはアゴナガヨコエビ科に似ていながらも、
尾節板が単葉の種類が宮城県から見つかっていて、海外の情報を含む文献調査が必要になっています。

16_pontogeneia-rostrata-type-1

ゴナガヨコエビ(Pontogeneia rostrata)の雄と思われる個体です。
Pontogeneia rostrata type 1としていますが、type1は触角柄部に鱗状の突起が有り、
第3胸脚と第4胸脚に長い棘があることが特徴です。
抱卵した個体がいないことからtype 1は雄の個体群と思われます。

日本海岸動物図鑑によれば、アゴナガヨコエビ(Pontogeneia rostrata)は体長8mm、
第1触角は第2触角よりも短く、副鞭を欠き、第3柄節の下縁先端に鱗状の突起があります。
第1胸脚、第2胸脚は小さく同型で腕節と前節は同じ長さ。第2、第3側板の後縁下部に1鈍歯があります。
尾節板の長さは基部幅の約1.5倍。先端から2/3で双葉になります。

 

17_pontogeneia-sp1

こちらもアゴナガヨコエビ(Pontogeneia rostrata)の雄と思われる個体です。
地域ごとに体色は少し異なりますが、
基本的には透明で眼の後方に紫色の斑点があります。
アゴナガヨコエビ(Pontogeneia rostrata)の雌(type2)は第2触角の柄部に
淡い青色の模様があることが特徴ですが、
宮城県の個体群は雄でも第2触角の柄部に淡い青色の模様があります。

 

18_pontogeneia-rostrata-type-2

アゴナガヨコエビ(Pontogeneia rostrata)の雌と思われる個体です。
便宜的にType2としていますが、type2は触角柄部に鱗状の突起が無く、
第3胸脚と第4胸脚の長い棘を欠き、第2触角の柄部に青色の模様があることが特徴です。
これら以外はtypa1に酷似します。
抱卵した個体が見られることから、type 2は雌の個体群と判断しています。
Type1と同様に眼の後ろに紫色の模様がありますが、
大型個体は体表面に茶色の模様が生じることが多いです。

 

19_pontogeneia-rostrata-type-3

この個体(type3)もアゴナガヨコエビ(Pontogeneia rostrata)と思われるのですが、
第1、第2触角に長い棘があることが大きな特徴です。
他にも体表面の体節に茶色の縞模様がある、などの特徴を持ちます。
type 3は雌個体を含みます。
今年の正月に茨城県で追加個体の採取ができたので、
解剖してType1Type2との比較を行っているところです。
ただし、これらのタイプの間で尾節板と第3尾肢の形態に大きな違いは無さそうです。
Pontogeneia rostrataに近縁な別種の可能性はあると思います。

 

20_pontogeneia-sp8
便宜的にPontogeneia sp.8としている種です。
第1触角と第2触角の長さは同程度、体表面に模様はありません。
触角には長いトゲがあります。
緑色の卵を持っていました。
先日のブログでも紹介していますが、
第3尾肢のトゲの長さと、尾節板の形状が明らかにPontogeneia rostrataと異なります。
(もっとも、こちらの種が本当のPontogeneia rostrataである可能性もあります)
Pontogeneia rostrataに次いで良く見つかる種です。
茨城県ひたちなか市、東京都伊豆大島、千葉県南房総市で採取したので
本州南岸に分布する種かもしれません。
日本未記載種の可能性があるので、専門家の方、宜しくお願います。

 

21_pontogeneia-sp9

便宜的にPontogeneia sp.9としている種です。
Pontogeneia sp.8と同じく第1触角と第2触角の長さは同程度、体表面に模様はなく、
第1、第2触角の柄部に長い棘があります。
基本的にはPontogeneia sp.8とよく似ているのですが、
体表面の模様が異なります。
この種を採取したときに解剖を行っていないので第3尾肢、尾節板の情報はありません。
(尾節板の解剖ができるようになったのはここ最近です)
ただ、この種は静岡県の美保半島の先端付近の東海大学近くの
テトラポット隙間の潮だまりに群れを作って泳いでいたので
必要であれば簡単に採取はできそうです。

 

22_pontogeneia-sp10

便宜的にPontogeneia sp.10としている種です。
宮城県の牡鹿半島で採取しました。
ただ、Pontogeneia属ではない可能性が高いです。
第1触角第3柄節の副鞭がある位置に鱗状の突起が有り、第1、第2胸脚は同型で、第3尾肢は双枝、
尾節板は楕円形、体色はオレンジ色などの特徴を持ちます。
第1触角の鱗状の突起はアゴナガヨコエビににていますが、
尾節板に切れ込みがないのでアゴナガヨコエビとは明確に区別できます。
尾節板の形状の違いは属レベルの違いであることが多いので、
アゴナガヨコエビ科の別属の可能性があります。
もっとも、アゴナガヨコエビ科かどうかも怪しいです。

もしかすると北海道の紋別市で採取したPontogeneia sp.3も、この種と近縁かもしれません。
Pontogeneia sp.3sp.10と同じく第1触覚柄部の第3柄節に鱗状の突起があります。
これらの種は北方系の分類群かもしれません。

アゴナガヨコエビのデータベースはごちゃごちゃしているので、
次回更新までに再検討する予定です。
Pontogeneia sp.3とsp.10はアゴナガヨコエビ科の不明属に移す必要があるかもしれません。


いずれにせよ、日本産のアゴナガヨコエビ科が1属1種と言うことはないと思います。
嘘だといってよ、バーニィ

2020年5月 3日 (日)

ヨコエビ画像集の更新案内4 カマキリヨコエビ科 Ischyroceridae Stebbing, 1899

コロナウィルスのせいで私のソウルジェムは濁ってしまいましたが、
皆様はどのようなステイホームをお過ごしでしょうか。

今回も代表的なヨコエビを紹介していきます。

カマキリヨコエビ科(Ischyroceridae Stebbing, 1899)は世界から17属、
日本からは4属が知られています。底節は退化傾向で、第3尾肢は第2尾肢よりも突出し、
枝は短く釘状でその先端部は鉤状になります。
代表的な属はカマキリヨコエビ属(Jassa)、ホソヨコエビ属(Ericthonius)、
ホソツツムシ属(Cerapus)です。カマキリヨコエビ属の第3尾肢は双枝、
ホソヨコエビは第3尾肢は単柄で第2尾肢は双枝、ホソツツムシ属は第3尾肢と第2尾肢が両方とも単柄です

12_jassa-marmorata
静岡県で採取したムシャカマキリヨコエビ(Jassa marmorata)です。
第2咬脚が非常に大きく、第6節(前節)の基部近くに棒状の突出部があります。
第3尾肢は双枝で、枝部分は短く、先端にカギ爪のような構造があります。
第2触覚柄部は第1触覚よりも長く、この特徴は日本海岸動物図鑑[II]の
カマキリヨコエビ(Jassa slatteryi)の記載に一致しますが、鞭部は5節であることが異なります。
(カマキリヨコエビ(Jassa slatteryi)の鞭部は2~3節)。
第2胸脚前節の突出部の形状はムシャカマキリヨコエビ(Jassa marmorata)に似ています。
カマキリヨコエビの仲間ではもっとも普通に見られます。

 

13_jassa-cf-morinoi
新潟県柏崎市で採取したモリノカマキリヨコエビ(Jassa morinoi)と思われるヨコエビです。
第2咬脚の前節の基部近くの突起(突出部)が先端に向かって細くなっています。
あまり多くは見られないようです。

 

14_ericthonius-pugnax
新潟県糸魚川市で採取したホソヨコエビ(Ericthonius pugnax)です。
ホソヨコエビ属の第3尾肢は単枝です。
雄の第2咬脚は大きく、指節、前節、腕節の3つの節で鎌状の構造を作ります。
代表種はホソヨコエビ(Ericthonius pugnax)で体長6mm、
第5胸脚の基節葉部が後方へ著しく伸展することなどが特徴です。
本州以南の海藻場に出現するとされていますが、出現は希と思われます。
ホソヨコエビは触角が切れやすく、完全な形の標本を手に入れていません。
この個体も片方の第1触角が切れてしまっています。

2020年5月 1日 (金)

ヨコエビ画像集の更新案内3 ドロクダムシ科 Corophiidae Leach, 1814

今回も代表的なヨコエビを紹介していきます。

ドロクダムシ科は底節板と腹部が退化・変形しており、
第2触角が著しく発達することが特徴です。
日本からは3属が知られています。

10_-corophium-acherusicum

アリアケドロクダムシ(Monocorophium acherusicumは体長5mm、第4~第6腹節が融合しています。
近縁のタイガードロクダムシの第4~第6腹節は融合しないので識別ポイントになります。
第3尾肢は小さく、柄部の外縁先端は突出せず、その単枝は卵形です
日本海岸動物図鑑によれば第2咬脚の指節に突起が2歯あるとされていますが、
“東京湾のヨコエビガイドブック”では
アリアケドロクダムシの第2咬脚指節の突起は3本とされています。
他の文献の記載について調査中です。
今回は第2咬脚指節に突起が3本(3歯)あるものをアリアケドロクダムシとしました。
なお、日本海岸動物図鑑ではアリアケドロクダムシを(Corophium acherusicum) としていますが、その後の研究で属名が変更になり、Monocorophium acherusicumとなったようです。

 

11_monocorophium-insidiosum
トンガリロドロクダムシ(Monocorophium insidiosum (Crawford, 1937) )と思われるヨコエビです。
頭部の突起が長く、第1触角柄部に突起があり、第2咬脚指節の棘が2本あります。
記載ページのタイトルではアリアケドロクダムシとしていますが、
トンガリロドロクダムシの可能性が高いと思われます。
ホームページ記載中にトンガリロドロクダムシの可能性に気がついたので中途半端な事になっています。

2020年4月29日 (水)

ヨコエビ画像集の更新案内2 ユンボソコエビ科 Aoridae Stebbing, 1899

ユンボソコエビ科(Aoridae)は第1咬脚が第2咬脚よりも大きいことが特徴です。
一般的なヨコエビ(雄)の第1咬脚は第2咬脚よりも小さいので分かりやすいですね。
日本海岸動物図鑑によれば、ドロソコエビ属(Grandidierella 属)の第3尾肢は単枝、
ユンボソコエビ属(Aoroides 属)の第3尾肢は双枝です。

7_grandidierella-japonica

ニホンドロソコエビ(Grandidierella japonicaです。
東京湾や万石浦などの干潟のほか、各地の海岸で見つかります。
普通種ですが第1胸脚が肥大した大型の雄個体は珍しいです。
雄の最大体長は2cmを超えるそうです。
類似の未記載種が存在するようなので同定には注意が必要です。

 

8_aoroides-curvipes

ブラブラソコエビ(Aoroides curvipesは2004年に記載された新しい種です。
日本海岸動物図鑑ではA. columbiaeという種を“ブラブラソコエビ”としていますが、
日本で見つかっていて“ブラブラソコエビ”とされていた種はA. columbiaeではなく、
全く新しい種であると分かったそうです。
A. columbiaeA. curvipesがシノニムの関係というわけではなく、
日本産のA. columbiaeに似た種と誤同定していたという流れのようです。
A. curvipesが新種記載された時にブラブラソコエビの和名が引き継がれたので、
この辺りの研究の流れが分かりやすくなっています。
2004年に新種記載されたブラブラソコエビ(Aoroides curvipes)は大阪湾産の個体をホロタイプ(完模式標本)に設定しています。
体長は4mm程度、雄の第1胸脚は肥大化します。長節が伸長し、腕節先端に達することが特徴です。

 

9_aoroides-longimerus

ケナガブラブラソコエビ(Aoroides longimerusは第1胸脚は毛状の棘が密生することが特徴です。
長節の棘は伸長して腕節の先端に達します。
あまり多くは見つかりません。
新潟県出雲崎町と宮城県女川町で採取しました。    

2020年4月27日 (月)

ヨコエビ画像集の更新案内1 ヒゲナガヨコエビ科(Ampithoidae Stebbing, 1899)

ようやくヨコエビ画像集の更新が完了しました。
これで2020年版の甲殻類の図鑑が完成です。
甲殻類の図鑑はこれまで“画像集”としていました。
深い意味は無いのですが、
図鑑と名乗るにはそれなりの完成度が必要かな、との判断です。

ヨコエビ画像集は少し不完全なところがあるので、
ヨコエビ図鑑と名乗るのは次回以降になりそうです。

さて、ヨコエビのデータがまとまったところで、
代表的なヨコエビを紹介していきます。

まずは、ヒゲナガヨコエビ科(Ampithoidae Stebbing, 1899)です。
ヒゲナガヨコエビ科は世界から14属、日本からは3属が知られています。
海藻に巣を作り生息しています。
第2咬脚の性差が大きく、雄では種の特徴が現れますが、雌は種の判別が困難です。
第3尾肢の外枝先端に1対鉤状棘を持ちます。
主要属はヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe sp.)とイッケヒゲナガヨコエビ属(Peramphithoe sp.)です。

1_ampithoe-cf-lacertosa
こちらは男鹿半島で採取したニッポンモバヨコエビ(Ampithoe lacertosaと思われるヨコエビです。
ニッポンモバヨコエビは第1触角の基部に棘状の剛毛があること、
第3腹側板の後端が尖ること第5底節板の後縁に剛毛束があることなどが特徴です。
第5底節板の後縁の剛毛束を確認できていないので同定は確実ではありません。
ニッポンモバヨコエビは普通種のはずなのですが、
以外に典型的な個体が見つかりません。

2_ampithoe-valida
こちらは新潟県で採取したモズミヨコエビ(Ampithoe validaです。
モズミヨコエビは第2~4底節板の下縁に数本の棘があることや、
第2咬脚の前節(先端から2番目の節)の掌部に長方形の突起があることが特徴です。

3_ampithoe-valida-a
こちらは東京湾の三判瀬で2018年4月に採取したモズミヨコエビです。
モズヨコエビは海岸で最も普通に見られるヒゲナガヨコエビで、
干潟の他、タイドプールなどでもよく見られます。
潮の干満などによる環境の変化に強いのかもしれません。

4_ampithoe-cf-zachsi
静岡県で採取したフサゲヒゲナガ(Ampithoe zachsiと思われる個体です。
フサゲヒゲナガ(Ampithoe zachsi)は第2触角に多数の毛状の棘があることが特徴です。
棘は毛束の列を作ります。
毛束の列は第2触角の柄部だけでなく鞭部にも続きます。
記載論文を見つけていないので同定が確実ではありません。

5_ampithoe-cf-zachsi
新潟県で採取したフサゲヒゲナガ(Ampithoe zachsiと思われる個体です。
静岡の個体群は第2胸脚の前節掌部に台形の突起がありました。
一方、新潟県糸魚川市の個体は第2胸脚の前節掌部に突起がありません。
同じ種類なのか、あるいは未成熟個体なのか、
そもそもフサゲヒゲナガなのか判断ができていません。

6_ampithoe-tarasovi
秋田県で採取したAmpithoe tarasovi です。
Ampithoe tarasovi は毛状の長い棘を持つ幅広の第1胸脚を持つことが特徴です。
第2胸脚に対して第1胸脚は大きく目立ちます。
第2胸脚は掌部に長方形の突起を持ちますが、
モズミヨコエビ(Ampithoe valida)ほど顕著ではありません。
文献も多くはなく、出現は比較的希なようです。
ロシア、日本、韓国で記載されています。
日本海を中心に生息していると思われます。

今回はここまでです。

次回はユンボソコエビ科 Aoridae Stebbing, 1899です。

2020年3月29日 (日)

アゴナガヨコエビ科(Pontogeneiidae)の1種:茨城県ひたちなか市 1月

前回、正月に水戸市で淡水ヨコエビを採取したことを書きましたが、
もちろん海のヨコエビも採取しました。

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アゴナガヨコエビ科(Pontogeneiidae)の1種です。
Pontogeneia 属の可能性が高いと思いますが、
代表種のPontogeneia rostrata ではないようです。

日本海岸動物図鑑IIによれば、
日本産のアゴナガヨコエビ科はPontogeneia rostrataだけが報告されているものの、
形態的によく似た未記録種が多数分布するとのこと。
今回の種も未記録種の一つかもしれません。


それはともかく胸脚を解剖していて面白いことに気が付きました。

_1_20200329010103

第1胸脚です。
歩脚と異なり、鎌状に特殊化した脚なので咬脚とも呼ばれます。
左は暗視野照明画像、右は明視野照明画像なのですが、
暗視野照明画像のなかで、矢印の棘の先端が青くなっているのが分るでしょうか?
矢印以外の棘も青くなっています。

_1_20200329010101

拡大像です。
このように暗視野像で不自然に色がついて見える場合、
その部分に光の波長程度400~800nm程度の微細な構造があることが多いです。

多分、構造色と思うのですが物理が苦手なので良くわかりません・・。
構造色は玉虫の羽やシャボン玉、CDが虹色に見える現象のことで、
宝石のオパールなんかも構造色で虹色に見えますね。

_1_20200329010105

本当に微細構造があるのか、カバーガラスをかけて高倍率観察しました。
左側は500倍、右側は1000倍の画像です。
矢印の棘の先端付近に細かな縞模様があります。
羽毛のように微細な毛が密生しているようです。
根元に向かって毛の間隔が広がっています。
毛の列が螺旋を描いているので全体にフォーカスするのは難しいですね。
10μmあたりの毛の密度は18本程度でした。
毛の間隔は550nm程度になるので緑色の波長に相当しますね。

_1_20200329010106

別の毛にフォーカスしました。
10μmあたりの毛の密度は19本程度でした。
細かすぎてブログ画像では分かりにくいですね。

_1_20200329010110

毛の部分だけトリミングしました。
焦点深度と分解能を両立させるのが難しいですが、
とにかく細かな毛が密に並んでいる様子がわかります。

何のための構造なんでしょう?
何らかの感覚器官なのでしょうが
あまりにも繊細な構造ですね。

_1_20200329010108

第2胸脚にもこの構造がありました。
ただ、毛の生えている方向が合わなくて
高倍率観察はうまくできませんでした。

_1_20200329010102

唐突ですが、第3尾肢です。
ヨコエビは第3尾肢と尾節板に種レベルの特徴が出ることが多いので、
記載しておきます。
Pontogeneia rostrataの第3尾肢と形は似ていますが、
棘が短いですね。

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尾節板です。
Pontogeneia rostrataの尾節板よりも明らかに細く、
やはり少なくとも種レベルの違いはありそうです。
先端に棘があることも特徴かもしれません。

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比較用に同じ場所で採取したPontogeneia rostrataと思われる種も載せておきます。
日本各地で最もよく見られる種類です。
これがPontogeneia rostrataでないとすると、
かなりややこしいことになります。

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この種の第3尾肢です。
最初の種と比較すると棘が長いですね。

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尾節板です。
先ほどの種と明らかに形が異なり長方形に近く、
先端の輪郭が鈍円です。


日本海岸動物図鑑IIも今となっては古い文献なので
今では日本におけるアゴナガヨコエビ科の研究も進んでいるかもしれません。
色々文献を調べたいのですが、
何しろアマチュアなので手掛かりがないのが残念です。

 

2018年12月16日 (日)

モクズヨコエビ科(Hyalidae)の1種:伊豆大島2018年3月

ハマトビムシ上科の分類に苦戦しています。
最大の課題としてモクズヨコエビ科のProtohyale属と、
Hyale属(モクズヨコエビ属)の違いが分かりません。
ヨコエビ類の分類は日本海岸動物図鑑だけが頼りなのですが、
Protohyale属の記載が無いのですよね・・・。

例えばこの種です。
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今年の3月に伊豆大島で採取したヨコエビです。
モクズヨコエビ科で間違いないかな、と思っています。
模様だけを見るとProtohyale affinis(フサトゲモクズ)に似ています。

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こちらは第1触角。

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こちらが第2触角です。
第2触角は体長の半分よりも明らかに短いですね。
小川 洋氏の「東京湾のヨコエビガイドブック」によれば、
フサトゲモクズの触角は体長の半分くらいだそうなので、
この種(個体)は当てはまらないですね。

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第1胸脚です。
際だった特徴は無いです。

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第2胸脚です。
雄なのは間違いないですが、際だった特徴は無いです。

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第3胸脚です。

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第4胸脚です。

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第5胸脚です。

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第6胸脚です。

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第7胸脚です。

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これは第1胸脚の底節板(第1底節板)です。
矢印のところに突起があります。
「東京湾のヨコエビガイドブック」によれば、
フサトゲモクズ(Protohyale affinis)の第1~4底節板は
後縁に突起があるそうです。
ただ、日本海岸動物図鑑によればHyale属のフサゲモクズ(Hyale barbicornis)
も突出部があるそうなので、決め手にはならないですね。

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第2胸脚の底節板(第2底節板)です。
矢印のところに突起があります。

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第3胸脚の底節板(第3底節板)です。
矢印のところに突起があります。

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第4胸脚の底節板(第4底節板)です。
矢印のところに突起があります。

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続いて第1尾肢です。
「東京湾のヨコエビガイドブック」によれば、
フサトゲモクズ(Protohyale affinis)の第1尾肢柄部外側には
長いトゲがあるそうなのですが、この個体(種)にはそれがありません。
いえ、少しだけ他よりも長いトゲはあるのですが、
「東京湾のヨコエビガイドブック」のイラストよりも短いです。
やはり、フサトゲモクズ(Protohyale affinis)ではないみたいですね。

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第2尾肢です。
第3尾肢は取り損ねたので
あとで他の個体の画像を紹介します。

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尾節板です。
尾節板は完全に双葉に分かれています。
このことからヘッピリモクズ属(Allorchestes 属)ではないようです。

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念のため腹部も載せておきます。

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別個体です。
こちらも個体も解剖を行いました。
第3尾肢だけ掲載します。

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第3尾肢です。
第3尾肢は単柄のようです。
なのでフタアシモクズ属(Parallorchestes 属)ではないようです。
ただ、フタアシモクズ属は双柄とはいっても、
短い方の柄は、かなり短いので見逃さないようにしたいですね。

といった理由で結局、この個体の属レベルの同定はできませんでした。
とりあえず、モクズヨコエビ科の1種としておきます。

2018年11月18日 (日)

チビヨコエビ科 Gitanopsis属:茨城県 2018年1月

秋も深まってきて眠いです。
個人的には春よりも秋の方が眠いです。

今回はデータ整理中のヨコエビの画像です。
というか、今年は甲殻類や土壌生物のデータ整理で終わってしまいそう。
ホームページの更新は来年ですね。

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今年の正月に茨城県で採取したヨコエビです。
基本的にはチビヨコエビ科(Amphilochidae)に似ています。
そのなかでもGitanopsis属に似ています。
同じチビヨコエビ科のApolochus属にも似ているのですが、
ポイントがよく分かりません・・。
今回はGitanopsis属の1種としておきます。

このヨコエビはこれまでにも見つけていましたが、
不明種として処理していました。

ヨコエビ_分類群190(260)
http://plankton.image.coocan.jp/Crustacea3-2-1-3-1-260.html

10月にブログで紹介したチビヨコエビ科(Amphilochidae)の不明種にも似ています。

さて解剖の記録です。
まず触角です。

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上が第1触角、下が第2触角です。
どちらも触角も短いです。
第1触角には毛状の棘があります。

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顎脚です。

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大顎です。
長く伸びている部分は鬚(Palp)と呼ばれる部分です。

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第1胸脚です。
掌縁が丸みを帯びています。
咬脚のタイプは“Transvers (Rectipalmate)”と呼ばれるタイプのようです。

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第2胸脚です。
掌縁が丸みを帯びていますが、第1胸脚よりは直線的です。
咬脚のタイプは“Transvers (Rectipalmate)”と呼ばれるタイプのようです。
10月にブログで紹介したチビヨコエビ科(Amphilochidae)の不明種とは、
形状が大分異なります。

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第3胸脚と第4胸脚です。

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第5胸脚と第6胸脚です。

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第7胸脚です。

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第1尾肢です。
内肢と外肢の両方を持ちます。

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第3尾肢です。
内肢と外肢の両方を持ちます。
第2尾肢は分離し損ねました。

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尾部の形状です。
これを見ると第2尾肢も二肢型のようですね。

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尾節板です。
尾節板は細長い三角形で、
第3尾節が両脇から包むように伸びていて、
全体的には漢字の山のような形状になっています。
この形状は10月にブログで紹介したチビヨコエビ科(Amphilochidae)の不明種に類似します。

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腹節です。
ヒョウ柄ですね。

2018年10月21日 (日)

ヒメハマトビムシ種群(Platorchestia pacifica)の解剖:秋田県2018年8月

「ねこのしっぽ -小さな生物の観察記録-」のヨコエビ画像集
ヒメハマトビムシ(Platorchestia platensis)という種を掲載していますが、
日本産のヒメハマトビムシに対し、
Platorchestia platensisという種名を使うのは不適切のようです。
というのも、そもそもPlatorchestia platensisはアジアには存在しないとのことです。

では、日本産のヒメハマトビムシの種名(学名)は何なのか、
という問題が起きますが、
現状、Platorchestia joiが本命のようです。
ただし、他にもP. pacificaP. parapacificaなどの種も
ヒメハマトビムシとされてきたようなので一筋縄にはいかないようです。
この辺りの研究史はかなり複雑ですが、
H. Ogawa氏のヨコエビがえし、ハマトビムシ入門(9月度活動報告)
詳しくまとめられているのでこちらをご参照ください。

さて、前述したヒメハマトビムシのページは
広義のヒメハマトビムシ種群(Platorchestia spp.)に修正するのが妥当として、
それだけではすっきりしないので、
新たに男鹿半島で採取したヒメハマトビムシを材料に、
日本産土壌動物 分類のための図解検索【第二版】青木淳一編著と
H. Ogawa氏のヨコエビがえし、ハマトビムシ入門(9月度活動報告)を参考に
細かく同定していきたいと思います。

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まず全体像です。
この個体は男鹿半島南岸の鵜ノ崎海岸で採取した個体で、
比較的大型の個体です。

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頭部の画像です。
喉部は平坦です。
この個体は既にヒメハマトビムシ種群と同定しているので、
あまり意味はないですが、
「喉部が緩く突出する」ホソハマトビムシ属(Paciforchestia属)と区別できます。
(日本産土壌動物参照)
ついでに、第1胸脚触角の先端が柄部第5節の中央に達していないことも分かります。
この辺りの形質はオカトビムシ系の分類に必要なようです。

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第1触角です。
柄部3節、鞭部6節です。
ハマトビムシ科は第1触角が短いことが特徴です。
昆虫もそうですが、陸上生活を行うには2対の触角は邪魔なのかもしれませんね。

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第2触角です。
柄部3節、鞭部13または14節です。

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分類にあまり必要性がない部位ですが、
顎脚です。

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第1胸脚です。
特徴的な形態ですね。

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第2胸脚です。
ここが最大のポイントです。
掌縁部に2個の突出があります。
ニホンヒメハマトビムシ(Platorchestia pachypus)と区別する上で大事な形質です。
といっても、未成熟個体では2個の突出が不明瞭なので安定的な形質ではないかも。
さらに、メインテーマのPlatorchestia joiP. pacificaP. parapacificaについてですが、
第2咬脚前節下縁に剛毛を欠くことからP. joiは除外できます。
(ハマトビムシ入門(9月度活動報告)参照)
狭義のヒメハマトビムシ(P. joi)ではないということです。

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第3胸脚です。
前節と腕節の長さを見比べます。
前節が腕節よりも明らかに長ければP. joi
ほぼ同じ長さであればP. pacificaP. parapacificaです。
今回は見た目には前節の方が長いように見えるのですが、
実際に計ってみると前節が0.491μm、腕節が0.485μmで、
小数点第3桁を丸めると同じ0.49μmになってしまうので、
ほぼ同長と言って良いのではないでしょうか。
といっても、実際に間違いなくP. joiという個体を比較検討してみないと、
どこまでを同じ、あるいは違うと言ってよいのか
判断できないと思います。
あとは、前節と腕節は太さが違うので目の錯覚も起きそうです。
ちゃんと計らないと難しいですね。

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第4胸脚です。
あまり必要性のない部位です。
今回気がついたのですが、ハマトビムシは第3胸脚と第4胸脚の長さが異なるのですね。
ヨコエビの多くは第3胸脚と第4胸脚が区別できないほど似ているので、
派生的な形態といえるかもしれません。

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第5胸脚です。
あまり必要性のない部位です。

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第6胸脚です。
第6胸脚自体には見所はないのですが、
基節板はちょっとしたポイントです。

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こちらは第6胸脚の基節板です。
ヒメハマトビムシ属は第6胸脚の基節板後葉の前下縁が直角、またはここに突起があります。
少々分かりにくいですが写真中央下部の丸い角のことです。
角は丸いですが、前縁と下縁が直角に交わっています。

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第7胸脚です。
あまり必要性のない部位です。

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左右の第1腹肢です。
ここ以降、今回の核心の分類学的に深い部分に入ります。

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第2腹肢です。
第2腹脚柄部縁部の剛毛数は9本です。
P. pacificaは3本、P. parapacificaは7本とのことなので、
P. parapacificaにより近いでしょうか。
第2胸脚の形態から除外しましたがP. joiは13本だそう。
きっちり数が合わないのはモヤモヤしますが、
おそらく成長に伴って数が変化するのではないでしょうか?

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もう一本の第2腹肢です。
第2腹脚柄部縁部の剛毛数は9本です。
左右の数は安定しています。

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第3腹肢です。
第3腹脚柄部縁部の剛毛数は10本です。

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第3腹肢にはもう一列の棘があって、
こちらは識別が難しいのですがおそらく6本です。

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もう1本の第3腹肢です。
第3腹脚柄部縁部の剛毛数は11本です。

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もう一列の棘です。
識別が難しいのですが6本です。
したがって、第3腹肢の棘は11本と6本の2列ということになります。
P. pacificaが9本と6本、
P. parapacificaが9本と5本とのことなので、
どちらとも判別できないです。
あえていえば、P. joiの11本と7本が一番近いのですが・・・。

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気を取り直して第1尾肢です。
今回はあまり重要ではないですが、
オカトビムシ系の分類には必要な部分です。
側端棘の長さを見ます。

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第2尾肢です。
ホソハマトビムシの種の同定には必要な部分ですが、
今回はあまり重要ではありません。
縁棘の本数を見たりします。

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第3尾肢です。
オオハマトビムシとホッカイハマトビムシの識別には重要ですが、
今回はあまり重要ではありません。
下縁に棘があるか、ないかを見ます。

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さて最後のポイント、尾節板です。
ここの棘の本数をみるのですが、
これはかなり難しいのではないのでは・・・?
この部分を綺麗に取り外すのは難しいですし、
必要倍率も微妙ですよね。

25_im180821__16__x100_25601920_200m

というわけで40倍では難しそうなので100倍で検鏡します。
ただ焦点深度が浅くなるので複数写真を見比べます。
とりあえず棘の本数は7本で間違いないようです。
また、頭部側に2本の棘が隣接して配置されています。
この特徴はP. pacificaに類似しますね。

P. parapacificaは頭部側に3本の棘が隣接して配置され、
合計本数は10本なので大分違いますよね。

ちなみに、P. joiは頭部側に2本の棘が隣接して配置され、
合計本数は8本です。

さて、まとめです。
どの形質を重要視するかによって結論が変わると思うのですが、
第2胸脚の棘の有無はデジタルなので、
これを最優先にしてみます。
すると、P. joiが除外されます。

第3胸脚は判断に迷ったので除外します。
ただ、前節と腕節がほぼ同長とすれば、
第2胸脚の結果と矛盾しません(P. joiが除外されます)。

次に、腹肢の棘の本数ですが、
きっちり合うものがないのでなんとも言えません。
第2腹肢に関してはP. parapacificaが最も近いです。

尾節板に関してはP. pacificaに特徴が一致します。

尾節板と腹肢のどちらを重要視するかで
P. parapacifica or P. pacificaが変化するのですが、
今回は尾節板に軍配を上げたいと思います。

ということで、P. pacificaとして同定します。