土壌生物

2019年8月 5日 (月)

ヒラタオニダニ(Platynothrus peltifer):2019年3月 伊豆半島

夏休みですね!
自由研究のテーマに土壌生物などいかがでしょうか?

こちらは2019年3月に伊豆半島で採取したヒラタオニダニ(Platynothrus peltifer)です。

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ヒラタオニダニはオニダニ科に属しています。
日本土壌動物によれば、体長0.77mm、前体部に明瞭な穴刻印、背板に浅い穴刻印、
背板上には1対のツヤのある畝が走る、と記載されています。

日本産のものは亜種、japonensisとされ、背板上の穴刻印は不明瞭だそうです。

写真の個体の体長は0.72mm、日本産土壌動物ではヒラタオニダニの体長は、
0.77mmとされているのでほぼ一致します。

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こちらは100倍の画像です。
畝状の構造を明瞭に観察できます。

2019年7月28日 (日)

トゲダニとケダニの画像集を更新しました

トゲダニの画像集と、ケダニの画像集を更新しました。
どちらも掲載種数は少ないですが、体裁は整ってきました。

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こちらはトゲダニの1種のハエダニです。
トゲダニの色はこのような黄色~茶色のことが多いです。
分類学的には第IIからIV脚基節外側方に気門を持つことで、
ほかのダニ類から区別されています。

トゲダニは一般には線虫や、トビムシ、ハエの卵や幼虫、
さらに他のダニなどを食べています。
土壌生物の生態系のなかでは捕食者に相当します。

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こちらはケダニの1種のイソテングダニです。
ケダニは赤や黄色など目立つ色のものが多いです。
分類学的には気門が胴部の前端部近くにあることが特徴です。
大部分が捕食者です。
土壌生物には珍しく、眼がある種類が多いです。

今回の更新ではコナダニマダニも追加しました。
ただ掲載種数はごく少数です。

 

2019年7月 2日 (火)

ササラダニ画像集の更新とネンネコダニ


ササラダニ画像集を更新しました。
土壌生物画像集の一部(約1/3)ですが、
まとめて更新するのも大変なので部分的に更新しました。

微細藻類の画像集と同じく、
Google Chromeで開けることを確認しています。

ササラダニは土の中で落ち葉などを食べている分解者です。
他のダニや、その他の捕食者に一方的に食べられてしまう生物なのですが、
攻撃能力が無い代わりに、防御に特化しています。
外骨格を硬質化して、さらに弱点となる関節部分に盾などを作っています。
ただ、体を鎧で覆っている代償として動きは遅いです。

非常に多様化した生物であり、形も様々です。
ササラダニ画像集として複数種類をまとめて眺めてみると、
多様性の大きさに感心します。

さて、ついでなので、
伊豆半島で採取したササラダニも紹介しておきます。

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このササラダニはネンネコダニ属(Peloptulus sp.)と思われます。
日本産土壌動物のワダツミネンネコダニ属(Peloptulus wadatsumi)の
イラストに似ています。
日本産土壌動物によれば、ネンネコダニ属はエンマダニ属に似ているものの、
翼状突起の前端が背板前縁より前に突出し、後縁はフリソデダニ科の
ようにたれることが違いとのことです。

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こちらは100倍(x10)の対物レンズで観察した画像です。
分解能は40倍(x4)よりも高いのですが
焦点深度が浅いのが難点ですね。

2019年3月16日 (土)

高崎観音山丘陵の土壌ダニ:2019年2月

高崎観音山丘陵の土壌(腐植)のダニ分析結果です。
例によって簡易ツルグレン装置でダニの抽出を行いました。

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ユメダニ属(Epicrius sp.)と思われます。
ヤマトユメダニ(Epicrius nemorosus)かもしれません。
オモゴユメダニ(Epicrius omogoensis)の背板はもう少し丸いようです。

ユメダニ属ユメダニ科(Epicriidae)に属しています。
日本ダニ類図鑑によれば“顆粒突起から成る網目状紋理と
顕著な側方の隆起顆粒をもち”とあります。
また、第1脚に先端が球状の感覚毛を持つことも特徴とのことです。
腹面には、顕著な前胸板があり、後胸板はありません。
生殖板と腹板が融合しています。
雄と思われる個体も見つけました。
珍しいトゲダニなので解剖はせずに、
エタノール標本にしました。

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アトツノダニ属(Asca sp.)と思われます。
クモマアトツノダニ(Asca nubes)かもしれません。
アトツノダニ属はマヨイダニ科(Ascidae)に属しています。
後縁に顕著な突起を持つことが特徴です。
後縁の突起から伸びる毛は羽毛状です。
生殖板の後縁は直線的で腹肛板が広いところなど、
細かな特徴も日本産土壌動物の記載と一致します。

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ツヤトゲダニ属(Gamasiphis sp.)と思われます。
日本産土壌動物の“ツヤトゲダニ属の1種”のイラストに良く似ています。
ツヤトゲダニ属はツブトゲダニ科(Ologamasidae)に属しています。
背板は1枚で、周気管板と側胸板が融合しているように見えます。
背板と腹肛板が後縁で融合する様子は確認できていませんが、
ツヤトゲダニ属で間違いないと思います。
同じツブトゲダニ科のマルツヤトゲダニ属(Stylochirus 属)は
周気管板と側胸板が融合しません。

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モリチョウコクダニ(Discourella silvestrisa)と思われます。
Discourella 属はイトダニ科に属しています。
背板中央の縦長の構造や、腹肛板の2対の網状彫刻肥厚域、
背板板の後端が左右離れて間に柔皮域がある特徴は
日本ダニ類図鑑の記載に一致します。
ただ、背板の3対の凹没部と外縁の毛の並びは確認できませんでした。
高崎観音山丘陵の試料からは複数個体が見つかっています。

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ササラダニだと思います・・・。
ヒワダニに似ているのですが、背面の皺が不明瞭です。
かなり派手な特徴を持っているので、
当初は楽に同定できそう、と思っていたのですが苦戦しています。
見当違いの分類群なのか、珍しい種類なのか、
いつかは同定できるのでしょうか。

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こちらも未同定のササラダニです。
タマゴダニの仲間に似ているのですが、
何しろ小さいので特徴がつかめていません。
未同定のササラダニが増えてきました。

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体長0.92mm、大型のササラダニです。
ヨロイジュズダニ(Tectodamaeus armatus)と思われます。
日本産土壌動物の記載によれば、
ヨロイジュズダニの体長は0.94mmなので一致しています。
太い棘状の背毛が特徴的です。
後縁の背毛は前方の背毛よりも細いです。

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ジュズダニ科の1種です。
ジュスダニ科を属レベルで確定するには肩突起の有無と、
脚の護毛の有無を調べる必要があるそうです。
次回、ジュズダニを見つけたら詳しく見てみることにします。
ただ、脚の脚の護毛の有無を判断するのは難しそうですね・・・。

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コナダニです。
コナダニは勉強不足で科レベルでの分類が難しいです。
もうちょっと目が慣れないといけないですね。

とりあえず、高崎観音山のサンプリングでは
新たにダニを5属見つけることができました。
もう少し腐植が残っているので再チャレンジできそうです。

2019年2月16日 (土)

土壌生物の採取方法(トゲダニ詰め合わせ):川崎市2019年1月

前回のブログ記事の続きです。
自作の“DIY簡易ツルグレン装置”で採取したダニとトビムシを紹介します。
サンプルの腐植はお正月に近所の公園(川崎市)で採取したものです。
昆虫の幼虫とトビムシ、それにトゲダニ類を採取できました。
ササラダニが少なかったことが今回の土壌群集の特徴ですね。

まず、ハエダニです。
ハエダニ科(Macrochelidae)、ハエダニ属(Macrocheles sp.)と同定しました。
ねこのしっぽラボでは、ハエダニ属は2017年5月の新潟以来、2年ぶり2個体目です。
とはいえ、それほど珍しい種類ではないと思います。

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背板前端が突出しているか、そうでいないかでクチナガハエダニ属(Holostaspella sp.)かハエダニ属(Macrocheles sp.)かが分かれます。
本種の場合、やや判断が難しいのですが、
“日本ダニ類図鑑”と“日本産土壌動物”のイラストと比較すると
背板前端が突出しないハエダニ属(Macrocheles sp.)として良さそうです。

背板前端の背毛が1本失われていますね。
完全な標本はなかなか難しいです。

右下の画像は鋏角ですが、
細長い羽毛状の毛束があります。
“日本産土壌動物”の検索図説ではこの毛束を持つのは
ホコダニ科(Parholaspididae)とハエダニ科(Macrochelidae)になります。

では、ホコダニ科とハエダニ科をどう識別するかというと・・・。

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こちらは周気管後端の気門の拡大写真です。
周気管後端がくるっと湾曲してます。
これはハエダニ科の特徴です。

対して、ホコダニの周気管後端は直線状です。
過去の記事“トゲダニ亜目 ホコダニ科 ホコダニ属(Holaspina属) 茨城県2018年1月”をご参照ください。

ハエダニ科はトビムシや昆虫を補食するそうです。
今回のサンプルからはハエ・アブ類の微細な幼虫が多数見つかったので、
これらを捕食していたのかもしれませんね。

続いてヤドリダニ科(Parasitidae)です。

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背板が2枚に分かれていて、
大型の後胸板を持っています。
形態的にはEugamasus属に似ているように思います。

詳細な分類には背板毛と蝕肢の観察が必要なようですが、
ヤドリダニ科を初めて見たので見逃してしまいました。
なので、ヤドリダニ科の1種としておきます。
次回は属レベルまで持って行きたいですね。

ヤリダニ科(Eviphididae)です。

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ナミヤリダニ属(Copriphis sp.)と同定しました。
“日本産土壌動物”のコガネムシダニ(Copriphis disciformis)の記載に似ています。
周気管板の後端が幅広く、生殖板の後縁に達します。
第2~4脚の基節間は離れています。
(近縁のセマルヤリダニ属(Evimirus属)は第2~4脚の基節間が狭いです)
トゲダニにしては同定が容易なタイプですね。

こちらもヤリダニ科ですが、第2~4脚の基節間が狭いです。

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こちらはセマルヤリダニ属(Evimirus属)と思われます。
同じ場所にヤリダニ科の2属が共存していたのですね。
ねこのしっぽラボではヤリダニ科自体が初で、
一気に2属記載できました。

イトダニ科の1種です。

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Uroobovella sp.と思われます。
和名はタマゴイトダニ属でしょうか。
体長1.1mm。大きさ的にはキュウヒタマゴイトダニ(Uroobovella japanomarginata)に類似します。
日本ダニ類図鑑によれば胴長1.05mmとされています。
ただ、イトダニ科の同定は難しいので、
あまり自信がありません。
茶褐色で硬化が進んでいるので光が透過しにくく、
細かな構造の観察が難しいです。

小型のイトダニ科です。

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Uroobovella属に似ていますが、
図鑑の記載を読んでいても、これだっ、という確信がありません。
幼体かもしれないですし、個体数を増やして確認したいですね。

ホコダニ科の1種です。

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鋏角と気門の特徴を見る限り、
ホコダニ科なのは間違いないと思うのですが、
顎体突起と後胸板の有無を観察できていないので、
再観察が必要です。
採取地は家から徒歩圏内なので、後で採取しましょう。
蚊が発生する前に。

という訳でダニは終わりです。
初めて見るトゲダニが複数いたので満足度は高かったです。

続いてトビムシです。

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イボトビムシ科(Neanuridae)なのは間違いないですが、
細かな分類ができていません。
トビムシは多様性が非常に大きいので勉強が大変です。

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こちらはツチトビムシ科(Isotomidae)だと思います。
跳躍器が長いタイプですね。
トビムシの記載があっさりしていてすみません・・・。
興味が無いわけじゃないんですけど、
別の機会にちゃんとやりましょう。

2019年2月 7日 (木)

土壌生物の採取方法(DIY簡易ツルグレン装置)

土壌生物の採取をするには冬から春にかけての期間が適しています。
冬でも土壌生物は見つかりますし、
草が生えていないのでサンプルを採取しやすい。
そして何より蚊がいない!

そのような訳で今回は“ねこのしっぽラボ”で実際に使っている
土壌生物採取装置(DIY簡易ツルグレン装置)を紹介します。

まず材料ですが、こんな感じです。


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右側の上から、(1)金属製のざる、(2)用途不明のろうと、(3)プラスチック製の容器
この3つの部品でDIY簡易ツルグレン装置2号機を作ります。

左側は進化したタイプで、
(1)園芸用のフルイ、(2)プラスチック製の容器で、
これだけでDIY簡易ツルグレン装置3号機を作ります。

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それぞれ、こんな感じで組み立てます。
固定はビニールテープです。
途中で白色のビニールテープが無くなったので紅白のおめでたい感じになってしまいました。

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さらにアルミホイルで覆って遮光します。
この後、内部に各々150ミリリットルの水道水を注いでおきます。

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できあがった2号機、3号機を上から見たところです。
下のビニール袋にはサンプルの腐葉土が入っています。

冬になると落ち葉が積もりますが、
落ち葉の層と、土が接する辺りには黒く変色したボロボロの落ち葉があります。
この部分は薄いのですが、その部分(腐植)を採取すると
たくさんの土壌生物が見つかります。

また、採取場所ですが、森の奥深くに入って行かなくても、
車道脇の側溝付近で十分です。
側溝にたまった落ち葉を掃除するような感じで除去すると、
腐植が見つかることがあります。
さすがに町中の側溝は無理ですが、
山道の車道脇には落ち葉がたまっていることが多いですね。

今回は川崎市で採取しました。

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腐植を2号機、3号機に充填したところです。

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こちらが2号機の写真。
落ち葉が細かくなっています。
土壌生物が落ち葉を分解している証拠ですね。
2号機のザルの編み目は粗いので数mm程度の大型の土壌生物がターゲットです。

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3号機の写真です。
フルイの編み目が細かいので1mm以下のダニやトビムシの採取専用です。

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土壌を充填した簡易ツルグレン装置を風通りの良いベランダに放置します。
本格的なツルグレン装置は白熱電灯を照射して土壌生物をトラップに追い込むのですが、ねこのしっぽラボの方法は太陽光を利用します。
その代わり、3日~1週間ほど時間をかけて土壌生物を抽出します。
室内には置かない方が良いでしょう・・・。
大型のミミズなどが装置の外に出てくることがあります。

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1週間放置してカラカラになった腐植です。
今回の試料は土(鉱物)の成分がほとんど入っていないので、
乾燥するとすごく軽くなりました。

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2号機の写真です。

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3号機の写真です。


腐植がカラカラに乾燥したら網やフルイを解体して、
プラスチック製の容器の水を観察します。

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昆虫の幼虫やミミズなど大型の生物は水底に沈んでいます。
大型のササラダニやトゲダニも水底に沈んでいることが多いですが、
肉眼では観察が難しく、実体顕微鏡があると便利です。
だいたい生きています。
今回はハエ・アブの幼虫が多かったです。

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トビムシや小型のササラダニは水面に浮かんでいることが多いです。
白いホコリのようなものや、赤い粒がトビムシです。
トビムシは1mmくらいの大きさなので注意すれば肉眼でも動いていることが分かります。

今回のサンプルではササラダニはあまり見つかりませんでした。
逆にトビムシやトゲダニが多く見つかりました。
今回撮影できたトビムシやトゲダニは次回の記事で紹介したいと思います。

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ちなみにこちらは秋田県で採取した腐植で、
今回の試料よりも分解が進んでいます。
この試料からはササラダニが多く見つかりました。
腐植の分解の程度によって土壌生物の種類も変わるようです。
自由研究のテーマに良いかもしれないですね。

2018年11月15日 (木)

カマアシムシ:秋田県男鹿半島(2018年8月採取)

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秋田県の男鹿半島でカマアシムシを採取しました。
カマアシムシは節足動物門 六脚上綱 内顎綱 カマアシムシ目に属しています。
3対の胸脚があるので昆虫に似ていますが、
共通しているのは六脚上綱までで昆虫(昆虫綱)ではありません。
トビムシ目とコムシ目とともに内顎綱を構成します。
内顎綱と昆虫は近縁で、無翅亜綱として昆虫綱に含まれていたときもあります。

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写真は100倍の画像です。
今回撮影した写真では確認できませんが、
腹部に3対の腹肢(付属肢)があります。
前脚(第1胸脚)を鎌のように折り曲げ、前方に突き出して触角の代わりに使います。
触角はありません。
目もありませんが、頭部背側面に1対の偽眼(感覚器)があります。

カマアシムシは1mm前後の小さな虫なので、
ほとんど目にすることはないと思いますが、
昆虫の系統進化を考える上では面白い虫です。


2018年7月17日 (火)

トゲダニ亜目 ホコダニ科 ヘラゲホコダニ属(Holaspulus属) 茨城県2018年1月

少し前のデータになりますが正月に採取したトゲダニの同定記録です。


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3月に書いたホコダニ属(Holaspina属) に似ていますが、
ホコダニ属よりも背毛が太いように見えます。
少し拡大しましょう。

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背中には背板と呼ばれる硬い殻があります。
背板の最前方にある毛がj1で、
その斜め下にある毛がz1です。

ホコダニ科にはz1を欠くものがいるので、
最初の同定に役に立ちます。
カマゲホコダニ属(Gamasholaspis属)、ホコダニモドキ属(Euparholaspulus属)、
はz1を欠くとされています(日本産土壌動物)。

ヘラゲホコダニ属(Holaspulus属)、コシビロホコダニ属(Naparholaspis属)、
ダルマホコダニ属(Proparholaspulus属)、ホコダニ属(Holaspina属)、
ヤリゲホコダニ属(Parholaspis属)
はj1とz1を持ちます。
写真の種はz1がないので、カマゲホコダニ属か、ホコダニモドキ属ということになります。

ただ、注意したいのが日本ダニ類図鑑や日本産土壌動物のイラストを見てみると
ヘラゲホコダニのz1は非常に短いようです。
なので、今回の種がヘラゲホコダニ属であった場合、
z1の存在に気がついていない可能性があります。

次に腹面から観察した画像です。

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腹肛板が生殖版と周気管板と融合しています。
この特徴はヘラゲホコダニ属またはコシビロホコダニ属に似ています。
ヘラゲホコダニ属とコシビロホコダニ属は鋏角固定背毛の形状が異なります。
ですので、次は鋏角の観察です。

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固定指背毛は毛束の反対側にあります。
毛束があるほうのハサミが動指、反対側が固定指です。
この倍率では観察が難しいので、もう少し拡大してみます。

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固定指背毛はやや曲がっていますが単純な形であることが分かります。
コシビロホコダニ属の固定背毛は楔型で変わった形なので、
コシビロホコダニ属の可能性は無さそうです。

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念のために他の個体の鋏角も観察してみます。
こちらのほうが固定指背毛が観察しやすいです。
矢印の先の固定脂背毛は少し曲がった単純毛です。
ここまで来れば、この種はヘラゲホコダニ属と考えて良いでしょう・・・ふう。

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こちらは何の部分か分かりにくいですが顎体突起です。
ホコダニのなかまは顎体突起にも特徴が出るのですが、
ヘラゲホコダニ属はあまり特徴がありません。
ギザギザしていて、中央に長い突起がないことが特徴です。

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こちらは気門です。
周気管の後端部はまっすぐで湾曲しません。
ハエダニ科は周気管の後端部が湾曲しているので、
この部分を見ればハエダニ科とホコダニ科を識別できます。

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後胸板です。
ここも見ておいたほうが良い部分です。

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最後に背毛の拡大画像です。
確かにヘラのような形です。
ヘラ毛ホコダニですね。

2018年6月16日 (土)

KAWAII系の生物(マルトビムシ亜目)

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前回の線虫がアレ系な生物だったので、
KAWAII系の生物を上げておきます。
マルトビムシ亜目の1種です。
うさぎさんみたいで可愛いですよね!?
脚が3対有りますが、それも萌ポイントですよね。

マルトビムシ亜目はかなり大きな分類群なので、
詳細な分類はできていません。
ミジントビムシ亜目と似ていますが、
触覚が頭の長さより長いことから区別できます。

正月に茨城県で採取したものです。
マルトビムシは小さいので肉眼で識別できるかどうか、
実体顕微鏡がお勧めです。

2018年6月 2日 (土)

ふなばし三番瀬海浜公園の線虫

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ふなばし三番瀬海浜公園で採取した線虫(センチュウ)です。
細かな分類はさっぱり分かりませんが、
線形動物門 線虫綱に属していると思われます。
干潟の泥のなかで生活しているようです。
甲殻類のサンプルに線虫がたくさん混入していたので、
干潟には大量に生息しているのかもしれません。

なんだか寄生虫に似ていますが、
それもそのはずでギョウチュウや回虫、アニサキスも
線形動物門のなかまです。

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今回撮影した線虫は卵を持っていました。
右下方向に7個の楕円形の卵があります。
ちなみに右上の先端が頭です。

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頭の拡大画像です。
種類によっては口壁の内壁に歯があったり、
口針があるようですが、よく分かりませんでした。
口から左側に向かって食道が伸びています。

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食道と腸の境界付近です。
ここには食道腸間弁という構造があるそうです。
(参考:日本産土壌動物)

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卵の拡大画像です。

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尾部の拡大画像です。
肛門は先端部から少し離れたところに開口しています。
先端には尾腺口があるそうです。

こんどは土壌中の線虫も観察しようと思います。