水田生物(ホウネンエビ、カイエビ、シャジクモ)
せっかくなので記事を一つ。
水田には色々な生物がいますが、
田の土や水は農家の大事な財産なので安易に採集はできません。
また、多くの水田は除草剤や農薬がまかれているので、
生物多様性が低いです。
さて、どうしよう?と考えていたところ、
石田精華園さんで田の土を購入できることがわかりました。
今はネットで何でも買えますね。
複数の水槽や瓶にいれて水を入れたところ、
予想以上の成果を得ることができました。
ホウネンエビ(雄)です。
白色(透明)な個体なのでアルテミアに似ていますが、
こちらをご覧ください。
雄の頭部の把握器(雌を抱えるためのもの)です。
長く伸びているのは前額付属器です。
前額付属器の両側に第2触覚と第1触覚があります。
これらの構造はホウネンエビの特徴です。
ホウネンエビは田の土1リットルで5匹発生しました。
こちらはカイエビです。
カイミジンコの化け物みたいに見えますが、
構造はかなり違います。
カイエビには多数の体節がありますが、
カイミジンコの体節は不明瞭です。
カイエビは3匹発生しました。
カイエビの尾部です。
この形からカイエビ亜目とわかりました。
こちらはタイリクミジンコ、半円形の頭部が特徴的です。
ほかにケブカミジンコも発生しました。
こちらは水草(被子植物)に見えますが、藻類です。
シャジクモという名前です。
陸上植物に近い藻類とされています。
ほかにもボルボックス、ミカヅキモなど
色々な水田生物の撮影ができました。
カブトエビも発生すれば完璧だったのですが、
そこまで期待するのは贅沢かも。
ホウネンエビ、カイエビ、シャジクモを撮影できただけで
十分すぎるほどの収穫でした。