ヨコエビ画像集の更新案内6 タテソコエビ科 Stenothoidae Boeck, 1871
1月ぶりにヨコエビ画像集の更新案内です。
まだ終わってなかったんです。
今回はタテソコエビ科(Stenothoidae)です。
タテソコエビ科は世界に18属、日本からは1属2種が知られています。
第1底節は小さく、第2底節の下に大部分が隠れます。
第4底節は非常に大きく、下縁は丸く弧を描き、後縁は切断的になります。
大顎の臼歯と顎脚の外葉を欠くことも特徴です。
代表種のタテソコエビ(Stenothoe valida)は体長5mm、
山陰から九州西岸に生息するとのことです。
新潟県糸魚川市で採取したタテソコエビ属(Stenothoe sp.6)です。
小さいため解剖が難しく、細かな特徴をつかめていません。
新潟県出雲崎と秋田県男鹿市で採取したタテソコエビ科(Stenothoidae)の1種と
同種かもしれませんが、よく分からないので分けています。
いずれにせよ、日本海側に分布する種のようです。
太平洋側からも似たような種(Stenothoe sp.1)が見つかっていますが、
種レベルの同定ができていません。
Stenothoe sp.1は南房総、牡鹿半島と瀬戸内海の明石から見つかっています。
茨城県ひたちなか市で採取したタテソコエビ属(Stenothoe sp.7)です。
体表面に筋状の模様があることが特徴です。
Stenothoe sp.1よりも明らかに大きく、別種と思われます。
今の技術レベルなら、これくらいの大きさがあれば解剖できるかもしれません。
北海道登別市タテソコエビ属(Stenothoe sp.5)です。
底節板が大きいことからタテソコエビ科と同定しましたが、
第1触角の柄節が太いことが気になります。
北海道紋別市で採取したタテソコエビ属(Stenothoe sp.3)です。
登別から採取した個体と同じく、第1触角の柄節が太いです。
このタイプの種(あるいは属)は北方系なのかもしれません。
次回はメリタヨコエビ科 Melitidae Bousfield, 1973です。
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