« 2019年5月 | トップページ | 2019年7月 »

2019年6月

2019年6月16日 (日)

カニダマシに寄生していたエビヤドリムシ:伊豆半島 2019年3月

1_tif

今回もエビヤドリムシの話です。
3月に伊豆半島の下田で採取したカニダマシに
エビヤドリムシが寄生していました。

宿主のカニダマシはおそらくイソカニダマシだと思います。
カニに似ていますが、異尾下目、ヤドカリのなかまです。
ハサミを含めて脚が8本しか見えないですよね。
ヤドカリは十脚目に属していて、
その名の通り脚は10本あるのですが、
尾側の一対の脚は小さくなっていて目立ちません。
また、よく見ると触覚が長く、
カニとは大きく違います。

つまり、カニダマシはカニではなくヤドカリの仲間で、
そこにエビヤドリムシが寄生していました。
カニ、ヤドカリ、エビとややこしいですね・・・。

右側の写真はデジカメ(TG5)でマクロ撮影したエビヤドリムシです。
こんな形をしていますが、
ダンゴムシやダイオウグソクムシと同じ等脚類のなかまです。

2_tif

こちらもデジカメで撮影したエビヤドリムシで、
腹側から撮影しています。
体節があるのでかろうじて甲殻類とわかります。

3_tif

こちらは寄生されていたカニダマシ。
というか、寄生虫の様子です。
矢印の位置にエビヤドリムシの一部が見えています。
家に持ち帰って詳細に観察してから、
エビヤドリムシの存在に気が付きました。

4_tif 5_tif

こちらは同じエビヤドリムシを実体顕微鏡で撮影した画像です。
少しずつ焦点をずらしながら撮影しました。
前回のモエビに寄生していたエビヤドリムシとは
ずいぶん形が違います。
モエビに寄生していたエビヤドリムシは左右非対称でしたが、
今回のヤドリムシは、ほぼ左右対称です。
体の周囲にひらひらのヒレのような構造があるのも特徴です。
腹部(右側)のヒレ状構造は特に目立ちますね。

6_tif

少し拡大した画像です。
体の両側に胸脚があるのがわかります。

7_tif

胸脚は斜めから見たほうが分かりやすいかもしれないですね。

8_tif 9_tif

こちらは暗視野照明で撮影した画像です。
暗視野のほうがヒレ状の構造が分かりやすいです。
右下の画像は腹側から観察した画像です。
腹側から見ると左右非対称であることが分かります。

2019年6月 7日 (金)

モエビに寄生していたエビヤドリムシ 2019年3月 伊豆

1__3

エビヤドリムシという生物を知っているでしょうか?
とてもマイナーな生物だとは思いますが、
不思議な魅力のある甲殻類です。

エビヤドリムシはエビやカニに寄生する甲殻類で、
ダンゴムシ、ワラジムシ、ダイオウグソクムシなどと同じ
等脚類のなかまです。
等脚類のなかにヤドリムシ亜目という分類群がいますが、
これは別の寄生生物で、エビヤドリムシはウオノエ亜目に属しています。
このあたりは最近、分類の亜目、科レベルの分類の再編があったようで、
甲殻類の画像集のページ構成も修正が必要かもしれません。

さて、写真のヤドリムシは伊豆半島で採取したモエビに寄生していました。

21__1

親子みたいに見えますが、
寄生者と宿主です。
哺乳類などの寄生虫と比べて、
宿主に対してとても大きいです。
実際、このモエビは少し弱っていました。

モエビの頭胸部側面が青色に腫れていますが、
この部分には鰓があって、エビヤドリムシはそこに寄生していました。

3__2

これが寄生場所から外れかかっている状態です。
慌てて写真を撮ったので露出不足です。

4__25__2

この4枚の写真のうち、
右側が腹側、左側が背側なのですが、
ほとんど同じです。
等脚類とは思えないですね。
というか、これだけ見たら甲殻類とも思わないかも。
変形が著しいのが寄生生物の特徴ですね。

6__2

こちらは腹側を暗視野照明と明視野照明で撮影した画像です。
左側が暗視野、右側が明視野です。
明視野のほうが分かりやすいですが、
エビヤドリムシにも一応、脚があります。
矢印の部分です。
他の等脚類と同じく7対の胸脚があるみたいですね。

7__2

こちらの写真は脚の拡大画像です。

さて、このエビヤドリムシ。
エビヤドリムシ科に属しているのは間違いないですが、
属レベルの分類はさっぱりわかりません。
文献もあまりないですし、
そもそもエビヤドリムシに興味のある人が少ないかも。

ただ、寄生生物は面白いですね。

« 2019年5月 | トップページ | 2019年7月 »