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2018年7月17日 (火)

トゲダニ亜目 ホコダニ科 ヘラゲホコダニ属(Holaspulus属) 茨城県2018年1月

少し前のデータになりますが正月に採取したトゲダニの同定記録です。


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3月に書いたホコダニ属(Holaspina属) に似ていますが、
ホコダニ属よりも背毛が太いように見えます。
少し拡大しましょう。

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背中には背板と呼ばれる硬い殻があります。
背板の最前方にある毛がj1で、
その斜め下にある毛がz1です。

ホコダニ科にはz1を欠くものがいるので、
最初の同定に役に立ちます。
カマゲホコダニ属(Gamasholaspis属)、ホコダニモドキ属(Euparholaspulus属)、
はz1を欠くとされています(日本産土壌動物)。

ヘラゲホコダニ属(Holaspulus属)、コシビロホコダニ属(Naparholaspis属)、
ダルマホコダニ属(Proparholaspulus属)、ホコダニ属(Holaspina属)、
ヤリゲホコダニ属(Parholaspis属)
はj1とz1を持ちます。
写真の種はz1がないので、カマゲホコダニ属か、ホコダニモドキ属ということになります。

ただ、注意したいのが日本ダニ類図鑑や日本産土壌動物のイラストを見てみると
ヘラゲホコダニのz1は非常に短いようです。
なので、今回の種がヘラゲホコダニ属であった場合、
z1の存在に気がついていない可能性があります。

次に腹面から観察した画像です。

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腹肛板が生殖版と周気管板と融合しています。
この特徴はヘラゲホコダニ属またはコシビロホコダニ属に似ています。
ヘラゲホコダニ属とコシビロホコダニ属は鋏角固定背毛の形状が異なります。
ですので、次は鋏角の観察です。

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固定指背毛は毛束の反対側にあります。
毛束があるほうのハサミが動指、反対側が固定指です。
この倍率では観察が難しいので、もう少し拡大してみます。

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固定指背毛はやや曲がっていますが単純な形であることが分かります。
コシビロホコダニ属の固定背毛は楔型で変わった形なので、
コシビロホコダニ属の可能性は無さそうです。

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念のために他の個体の鋏角も観察してみます。
こちらのほうが固定指背毛が観察しやすいです。
矢印の先の固定脂背毛は少し曲がった単純毛です。
ここまで来れば、この種はヘラゲホコダニ属と考えて良いでしょう・・・ふう。

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こちらは何の部分か分かりにくいですが顎体突起です。
ホコダニのなかまは顎体突起にも特徴が出るのですが、
ヘラゲホコダニ属はあまり特徴がありません。
ギザギザしていて、中央に長い突起がないことが特徴です。

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こちらは気門です。
周気管の後端部はまっすぐで湾曲しません。
ハエダニ科は周気管の後端部が湾曲しているので、
この部分を見ればハエダニ科とホコダニ科を識別できます。

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後胸板です。
ここも見ておいたほうが良い部分です。

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最後に背毛の拡大画像です。
確かにヘラのような形です。
ヘラ毛ホコダニですね。

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