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2018年4月 1日 (日)

伊豆大島 生物調査と火山巡検

3月20日~22日に伊豆大島に行ってきました。
小さな生物の調査と、火山巡検が目的です。

午前中の便で大島、岡田港に着きました。
現地は生憎の天気でしたが、レンタカーで島北部の野田浜に行きました。

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海岸で溶岩を見てテンションが上がります。

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20日は風雨が強い悪天候でしたが、
波が低かったのと、干潮の時間だったので海岸での甲殻類調査を強行しました。
野田浜の周辺では、モクズヨコエビ科の1種(おそらく Protohyale属)、
アリアケドロクダムシ(Monocorophium acherusicum)、
ユンボソコエビ科の1種、ナガタメリタヨコエビ(Melita nagatai)、
ハバヒロコツブムシ(Chitonosphaera lata)、
イソコツブムシ(Gnorimosphaeroma rayi)、
ツツオウミセミ(Cymodocella nipponica)が見つかりました。
甲殻類ではないですが、海岸にはイソテングダニがいました。

ツツオウミセミ(Cymodocella nipponica)は“ねこのしっぽラボ”では
初めての記載になります。
海岸動物図鑑によれば、紀伊半島、朝鮮半島、南シナ海に分布とあるので、
黒潮系の生物かも知れません。
ナガタメリタヨコエビ(Melita nagatai)も初めてです。

海岸生物の調査は順調だったのですが、
海藻の生えたコンクリートに足を滑らせて、
頭を打って、手のひらに怪我もしたので、
海岸での調査を一旦打ち切りにしました。
次回からヘルメットが必要か・・・。

海岸調査を打ち切った後は火山巡検に切り替えました。
明日(21日)は悪天候が予想されていたので、
まずは三原山に行くことにしました。

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残念ながら、山頂部は雲の中でした。
かろうじて1986年溶岩流を見ることができました。
天候の回復を待って出直すことにします。

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次に地層大切断面に行きました。
ここには過去約1万5千年間の噴火記録が地層として残されています。
写真の下部には不整合も見られます。
地層の1枚、1枚が過去の大噴火の堆積物です。
こんな立派な露頭を見ると元地質屋の血が騒ぎます。

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露頭(地層が現れた崖)の上部にはスコリアの層があります。
スコリアの層は浸食されやすいのか、えぐられています。

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この付近からは利島が見えました。

この日の火山巡検はこれで終了。

この後、夜に波浮港で夜間ネットサンプリングを行いました。
波浮港にはコマセアミ(Anisomysis ijimai)、
トゲホホヨコエビ(Paradexamine barnardi)、種類不明のヨコエビ、
ウミオオメミジンコ属(Podon sp.)、ナギサスナホリムシ属(Eurydice sp.)、
サザナミクーマ属(Dimorphostylis sp.)、ナンノクーマ属(Nannastacus sp.)、
ウオノエの幼生、カイアシ類、貝虫類(ミオドコパ)が生息していました。

このうち、コマセアミとナギサスナホリムシ属は“ねこのしっぽラボ”では
初めての記載になります。

翌日は天気予報通りの悪天候。
とくに午前中は大荒れの天気でした。

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島の西側の火山博物館の玄関から海側を見た様子です。
ここでしばらく火山の勉強をしました。
1986年の噴火で元町に温泉が湧いたことを初めて知りました。

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火山博物館の後は島南部の波浮港に移動、
昨夜は写真が撮れなかったので改めて撮影します。
波浮港の入り江は9世紀中頃の噴火によるマグマ水蒸気爆発でできた火口です。
当初は火口と海の間はつながっていませんでしたが、
津波や工事によって外海とつながったそうです。
この頃には小雨になっていましたが、
風が非常に強い状態でした。

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波浮港の海岸から見た崖です。
この崖は爆裂火口の火口壁なわけですね。

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続いて南東部の筆島に行きました。
ごらんの通り、海は大荒れです。

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筆島は数十万年以前の古い火山の名残だそうです。

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筆島の近くには磯もありますが、
生物調査は無理そうです・・・。

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続いて裏砂漠の方面に向かいました。
見ると道路脇には雪が・・・。
きっと午前中は雪だったんですね。

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月と砂漠ライン入口はご覧の通りです。
砂漠じゃ無くて雪原になっていそうです。
チェーンがかかっていますが、立ち入り禁止ではなく、
車止めだそうです。
足跡が幾つかあります。

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ただ駐車場がこんな感じで、
砂漠に行って戻ってきたら路面凍結していた、では洒落にならないので、
裏砂漠の散策はあきらめました。
この日はこれで終了。
次の日が最終日なので早めに寝ました。

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朝食後、速攻でチェックアウトして三原山に来ました。
三原山頂口の駐車場はあいかわらずの天気です。
この場所は三原山の外輪山の縁にあります。

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駐車場から少し歩くと中央火口丘までのハイキングコースの入り口があります。
そこからの眺めです。
三原山は雲の中です。
一昨日よりも条件が悪そう・・・。

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気を取り直して、天気予報によれば回復傾向とのことですし、
ハイキングコースを進みます。
少し明るくなってきたかな。

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突然、霧が晴れて三原山の中央火口丘が現れました。
1986溶岩流もはっきり見えます。

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遊歩道は舗装されているのですが、
そこにカエルのタマゴがいっぱい落ちていました。
水辺が少ないし、昨日は水がいっぱいあったのかもしれないけど、
オタマジャクシになるのは無理そうですね。

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退避壕です。
火山弾が飛んできたら隠れましょう。

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1986年A溶岩の末端です。
このあたりは平坦な地形です。
溶岩流の周囲の植生が回復しているように見えます。
噴火が無ければ森林になるのでしょう。

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1986年A溶岩の表面です。
溶岩流の表面はガサガサした石で覆われています。
溶岩流の表面は速やかに冷えて薄皮ができるのですが、
内部はまだ流動を続けているので、
薄皮は引き延ばされたり、逆に押されたりして
たくさんのひび割れができれ壊されていきます。
そうしてできた破片がこのような石になります。
この石をクリンカー、このような形態の熔岩をアア溶岩(aa lava)といいます。

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1986年A溶岩の末端です。
溶岩流の末端もたくさんのクリンカーに覆われています。
1986年の噴火の時にはクリンカーの隙間から、
真っ赤な熔岩が見えたことでしょう。

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三原山の中央火口丘を登り始めたところで、
後ろを振り向きました。
遠くに見える連なった丘は外輪山、
外輪山からハイキングコースが延びています。
黒々とした部分が1986年A溶岩です。

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北西の方向を見ました。
近くに見える丘は1986年B火口列です。
この周辺の火口から激しい割れ目噴火が起きました。

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三原山の中央火口丘の縁(内輪山)に到着しました。
ここには三原神社の神殿があります。
三原神社の隣には溶岩流が迫っていますが、
溶岩流は神殿を避け両側に分かれて流れていったそうです。
不思議ですね。
御神火のなせる業でしょう。

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三原山の中央火口丘山頂部平坦面です。
内輪山に囲まれたこの部分は、
1986年の噴火時には溶岩湖になっていました。
黒々とした熔岩は溶岩湖の名残ですね。
噴火から30年が経過した現在では、
植生がわずかに回復しています。

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三原山の中央火口です。
ほとんど霧に覆われて見えなかったのですが、
霧の隙間からわずかに火口壁を見ることができました。
なんというか“天空の城ラピュタ”のような風景でした。
1986年の噴火直後には熔岩で満たされていましたが、
1987年の噴火によって陥没し、
深さ200メ-トルの竪穴が再生したそうです。

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中央火口近くの熔岩は滑らかな表面で、
縄状の模様がありました。
パホイホイ溶岩かもしれません。

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ハイキングコースではアア溶岩(aa lava)の断面も観察できます。
熔岩の上部にはクリンカーの層があり、
内部には緻密な連続体があります。
連続体の下部にもクリンカーの層がありますが、
一連の溶岩流のものなのか、別の熔岩の表面なのか判断できませんでした。

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内輪山付近では熔岩はアア溶岩になっています。
荒涼とした風景です。

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内輪山のハイキングコースで平行な地層を見つけました。
火砕サージの堆積物に似ていると思います。
確か蔵王巡検で火砕サージ堆積物の見方を教えてもらったような。

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近づいて撮影しました。

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中央火口丘から下山して後ろを振り返った様子です。
1986年A溶岩がよく見えます。

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こちらも振り返って撮影した画像です。
この頃から天気が悪くなってきました。

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外輪山に到着する頃にはこんな感じになってしまいました。
霧がかかっているとオートフォーカスが上手く効かないようです。

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続いて外輪山の外側の割れ目火口列(1986年C火口列)に行きました。
1986年11月21日に外輪山北西で発生した割れ目噴火の跡です。
約1キロメ-トルの間に11個の火口が並んでいるそうです。
ここはその内の1個です。

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何がどうなっているのか分かりにくいので、
解説図を付けました。
スコリア丘ができていて、中央に火口があります。
右側の自動車と比較するとスケールが分かると思います。

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スコリア丘の火口の内部です。
30年の間にずいぶん木が大きく育っています。

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足下にはスコリアがたくさん落ちています。

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1986年C火口列の別のスコリア丘の火口縁に立ちました。
向こうに見える崖が火口内壁です。
スコリアが高温で酸化したために赤色に変色しています。

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別の位置から火口内壁を撮影しました。
30年立っても崩れていないので、
それなりに硬く溶結しているようです。
加工内部の植生は豊かです。

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足下には大きな溶岩片(スパター)も落ちています。

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これもスパターかもしれません。
やや発泡しています。

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誰かが割ったスパターの断面です。
内部は発泡しています。

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1986年C火口列からは元町がよく見えました。
ということからは元町からも、C火口列の噴火がよく見えたことでしょう。

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火山巡検を終えて岡田港に戻ると、
良い天気でした。
ここに来て初めて青空を見ました。
綺麗な海です。
場所は日の出浜海水浴場(サンビーチ日の出)で、
ここでは打ち上げられたゴミに付着していたエボシガイの仲間を
見つけました。

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干潮の時間帯だったので、
磯での生物観察も行いました。
ここでは、ウミミズムシ属(Janiropsis sp.)、
ナガタメリタヨコエビ(Melita nagatai)、イワガニ、
ヒライソガニを見つけました。

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さて、帰路です。
行きは手前のセブンアイランド愛、帰りは奥のセブンアイランド虹に乗りました。
船と言うよりは飛行機のような感じでした。
帰りはかなり波があったにも関わらず、乗り心地は良好でした。

今回の旅は天候の影響をかなり受けましたが、
楽しめたと思います。
次回は天気の良いときに行きたいですね。

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