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2018年4月15日 (日)

キタツチカニムシ(Allochthonius borealis ) 茨城県2018年1月

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“カニムシ”という生き物を知っていますか?
大きな鋏を持っていることが特徴です。
サソリに似た形でインパクトがありますが、
大きくても1cm以下なので見たことがある人は少ないと思います。

サソリとの違いは長い後腹部を持たないことです。
サソリの“しっぽ”を切り離したような形に似ています。

今回は今年の正月に茨城県で採取した
キタツチカニムシ(Allochthonius borealis )と思われる
カニムシを紹介します。

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今回採取したカニムシは体長1.5mm、鋏角も加えた体長は1.8mmです。
日本産土壌動物によればキタツチカニムシの体長は1.7~2.4mmですので、
やや小型の個体と言うことになります。

眼(単眼)は体の側面にあります。
単眼は2対、4個有ります。

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側面から見た画像です。
眼は側面からのほうが分かりやすいです。
大きなザリガニのような鋏は蝕肢、眼の少し前方にもう一つの鋏“鋏角”を持ちます。

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蝕肢の拡大画像です。
蝕肢は動指と固定指でできています。
キタツチカニムシ(Allochthonius borealis )は動指の先端付近にだけ
ギザギザの歯が並んでいます。

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別の角度から。
固定指は先端から根元までギザギザの歯が並んでいますが、
動指の歯は中間部よりも先端方向にだけ並んでいます。
ここは近縁種のオウギツチカニムシ(Allochthonius opticus)との
重要な識別ポイントなので念入りに観察します。

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次に腹面からも観察します。
ツチカニムシ上科の歩脚は前2対が6節、
後ろ2対が7節です。
ヤドリカニムシ科は全歩脚が6節、コケカニムシ科などは
全歩脚が7節なので、ここも分類の重要なポイントです。

今回のキタッチカニムシはツチカニムシ上科 オウギツチカニムシ科
(Pseudotyrannochthoniidae)に属しているので、
前2対の歩脚は6節、後ろ2対の歩脚は7節です。
ただ、後ろ2対の歩脚の節の数え方は難しいので後で念入りに見てみます。

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腹面の構造を少し詳しく観察します。
体の最も前方にある鋏は鋏角です。

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鋏角の拡大画像です。
蝕肢と間違えやすいので注意が必要です。
鋏角はクモ、ダニ、サソリ、ザトウムシ、カブトガニなどが持つ共通の口器で、
鋏角を持つ生物をまとめて鋏角亜門と呼びます。
カニムシの鋏角は、鋏顎とも呼ばれます。

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次に歩脚の基節部分を観察します。
第1歩脚に棘があります。
これは基節棘と思われます。
ケブカツチカニムシ科は基節棘が第1,第2歩脚にあり、
オウギトゲツチカニムシ科は基節棘が第1歩脚にあり、
ツチカニムシ科は第2歩脚にあるので、
基節棘の位置はツチカニムシ上科の科レベルの分類に重要です。

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では歩脚の後ろ2対の節を数えてみます。
この倍率では難しいですね。

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まず根元から、1節目と2節目の境界(1/2)、
2節目と3節目の境界(2/3)、3節目と4節目の境界(3/4)を見ていきます。
3節目と4節目の境界には明瞭なくびれが無いので見逃してしまいそうです。

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次に4節目と5節目の境界(4/5)、5節目と6節目の境界(5/6)、
6節目と7節目の境界(6/7)を見てみます。
一応、6節目と7節目の境界(6/7)を確認できたので、
節の数は7節と分かりました。
本当は解剖して脚を切り離した方が変わりやすいかも知れないですね。

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