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2017年2月19日 (日)

トゲダニの鋏角(きょうかく)

もうすぐ海岸サンプリングも始まるのですが、
今年の花粉症もスタートしました。
週明けにも耳鼻科に行って薬をもらわなければなりません。

さて、日本産土壌動物 分類のための図解検索によれば、
トゲダニの分類には腹面の胸板、生殖腹板、肛板の観察の他に
鋏角の観察も必要とのことです。

鋏角(きょうかく、と読みます)とは
カブトガニ、ウミグモ、クモ、ダニ、ザトウムシ、サソリ、カニムシなどの
鋏角亜門の節足動物が持つハサミ状の口器です。
よく、間違われやすいのですが、
サソリやカニムシの大きな鋏脚は鋏角ではなく、触肢です。
鋏角は頭の先の一対の角のような部分です。
とはいえサソリやカニムシの鋏角は大きいので観察は容易なのですが・・・。

ダニ(トゲダニ)の鋏角は下の写真の矢印の先にあります。
先端が少しオレンジ色になっている部分です。
そのままの状態では詳細な観察はできません。
解剖して鋏角を取り出す必要があります。

1

このダニは今月はじめに川崎市で採取したトゲダニですが、
未成熟個体なのか胸板、生殖腹板、肛板を観察できませんでした。
したがって細かな分類は不明なのですが、
解剖して鋏角を取り出すことにします。

まず、下の写真の緑色の位置で切断します。
2

このダニの鋏角は収納可能らしく、
上側の鋏角が顎体部に引っ込んでいます。
細かな作業は実体顕微鏡を見ながら行いました。
メスの代わりに昆虫採集用の虫ピンを使用します。
乾くと変形してしまうので、水滴の中で作業します。

3

取り出した鋏角です。
この画像を撮影した倍率は100倍なのですが、
高倍率用のレンズとコンデンサーに切り替えます。

4

500倍で観察した鋏角です。
鋏角は可動の“可動指”と不動の“固定指”でできています。
可動指の付け根には毛束と呼ばれる細かな棘の束があります。
この毛束の構造も分類に重要なようです。

5

上の写真は固定指に焦点を合わせた画像です。

6

上の写真は可動指を1000倍で観察した画像です。
歯が3個有りますね。

7

上の写真は固定指を1000倍で観察した画像です。
三角形の歯が2個と、四角形?の歯が2個有ります。

8

固定指の焦点を変えてみると、10μm程度の長さの
短い棘が見えてきました。
感覚毛かもしれません。
あるいは他の機能があるのかも?

今回はなんとか鋏角を観察できましたが、
かなり細かな作業でした。
毎回成功する自信はないですね。

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