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2016年12月 5日 (月)

イッケヒゲナガヨコエビ属(Peramphithoe sp.) 千葉県2015年3月

今回もヨコエビです。

ヨコエビの脚をバラバラにして撮影するのは
残酷に思えるかもしれません。
なので、ヨコエビのデータ収集を始めた当初は
全体写真しか撮影しませんでした。
ところが、全体写真だけでは種レベルの同定はおろか、
科レベルの同定も難しい!
これではせっかくの標本も無駄になってしまうので、
去年あたりから積極的に解剖を行うことにした次第です。
そこまでして名前を調べることに意味があるのかという
哲学的問題もありますが。

死んでいると思ったヨコエビから脚を外すと、
どういうわけか脚が動き出したり、
1cm程度の大きさのヨコエビでも結構臭いがあったり
リアルに生死を感じる世界なのですが、
スーパーに並ぶカニの脚を見ていると思えば
無心になれるかもしれません。

さて前置きが長くなりましたが、
今回のヨコエビです。
2015年3月に房総半島先端の野島崎で採取しました。

写真1
150324__26_1280x960_x2

写真2
150324__26_1280x960_x40_


写真1は上から照明をあてた画像、
写真2は下から照明をあてた暗視野画像です。

このヨコエビは以前に掲示板でHo(No67)さんに
「ヒゲナガヨコエビ科のようです。
Peramphithoeだと思います。」とコメントを頂いていました。
ただ、そのときは全体写真だけだったので
今回は細部まで詳細に見ておきたいと思います。

Peramphithoeは日本海岸動物図鑑[II]では
イッケヒゲナガヨコエビ属と和名が付けられています。
日本海岸動物図鑑[II]によれば、
近縁のヒゲナガヨコエビ属(Ampithoe)とは、
「第1底節は前方に進展しない、
第3、第4胸脚の基節は膨れて楕円形」
であることで区別されています。

残念ながら、第1底節がよく見える写真がなかったので、
まずは第3胸脚から見ていきます。
150324__26_31_25601920_x40

たしかに「基節は膨れて楕円形」です。
もうこれだけでもPeramphithoeとして良さそうです。

次に第4胸脚です。
150324__26_41_25601920_x40

「基節は膨れて楕円形」です。

第5胸脚です。
150324__26_51_25601920_x40

基節はむしろ円形です。
日本海岸動物図鑑[II]のトウヨウヒゲナガ
(Peramphithoe orientalis)の第5胸脚のイラストに似ています。

第6胸脚です。
150324__26_61_25601920_x40

第7胸脚です。
150324__26_71_25601920_x40

変則的ですが第1咬脚です。
150324__26_11_25601920_x40

第2咬脚です。
150324__26_21_25601920_x40


日本海岸動物図鑑[II]のトウヨウヒゲナガ
(Peramphithoe orientalis)のイラストよりも
指節が短いです。
トウヨウヒゲナガではなさそうです。

あまり同定の役にはたちませんが口器の部分も見ましょう。
顎脚です。
150324__26__25601920_x40

大顎です。
150324__26__25601920_x40_2

小顎です
150324__26_1_25601920_x40

やはり、Ho(No67)さんの見立て通り、
イッケヒゲナガヨコエビ属(Peramphithoe sp.)で良さそうです。
無事に名前が付きました。

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