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2016年11月 6日 (日)

ハマトビムシ2種 北海道(石狩市)2016年9月

今回はハマトビムシ科(Talitridae)の同定です。
世界に33属、日本からは7属知られているとのことです。
(日本海岸動物図鑑)

 

特徴は陸域に分布することです。
水際に近い砂浜から、内陸の森林土壌まで、
広範囲に分布します。
形態的には第1触覚が短いことが特徴です。
飛び跳ねるようにジャンプすることも特徴です。

 

今回同定するハマトビムシは北海道(石狩市厚田区望来)
で採取しました。
望来はもともと海水浴場だったようですが
今ではかなり荒廃していて海岸に近づくのも一苦労でした。

 

まずこちらのヨコエビ(ハマトビムシ科)です。
Im160916__6_x067_2560x1920

ヨコエビとしては大型で2cm近くあります。
海藻の下から、手でつまんで採取しました。
第2触角が長いですね。

 

こちらが、その第2触角です。
Im160916__6_2_x1_2560x1920

第2触角の鞭部が柄部よりも長いことが特徴です。
この特徴は日本海岸動物図鑑のホソハマトビムシ
(Paciforchestia pyatakovi)に似ています。
ホソハマトビムシは北海道から九州までの日本海側と、
北海道から伊豆半島までの太平洋側に分布するそうです。

 

こちらは第1触角です。
Im160916__6__x40_2560x1920

短いです。
ハマトビムシ科(Talitridae)の特徴です。

 

次に第1咬脚です。
Im160916__6_1_x2_2560x1920
Im160916__6_1_x40_2560x1920

こぶ状の突起があります。

 

第2咬脚です。
Im160916__6_2_x2_2560x1920

第2咬脚の掌部は滑らかで、日本海岸動物図鑑の
ホソハマトビムシのイラストに似ています。

 

第3咬脚です。
Im160916__6_3_x2_2560x1920
歩脚状です。

 

第4咬脚です。
Im160916__6_4_x2_2560x1920
歩脚状です。

 

第5咬脚です。
Im160916__6_5_x2_2560x1920
歩脚状です。

 

第6咬脚です。
Im160916__6_6_x1_2560x1920
長い歩脚です。

 

第7咬脚です。
Im160916__6_7_x1_2560x1920
長い歩脚です。

 

日本海岸動物図鑑のホソハマトビムシの記載には、
腹肢の記載もあります。
ホソハマトビムシの腹肢は未発達で、
内枝、外枝は1~2節とのこと。

 

別の個体で確認します。

 

別の個体です。
Im160917__15_x067_2560x1920

ちなみに上から見るとこうです。
Im160917__15_x067_2560x1920_2

第6、第7胸脚が長いことがよくわかります。

 

さて、本題の腹肢です。
Im160917__15_2_x4_2560x1920

これは第1腹肢です。
確かに未発達です。
複数の節があるようにも見えますが、
合体して一枚の板のようにも見えます。
ただ、日本海岸動物図鑑のホソハマトビムシの
腹肢のイラストよりもはるかに複雑です。

 

ついでに顎脚です。
Im160917__15__x40_2560x1920
同定ですが、腹肢の形状に若干の疑義があるので、
今回は、ホソハマトビムシ?(cf. Paciforchestia sp.)
ということにします。

 

今回は2本立てで、次のハマトビムシ(ヨコエビ)も用意しました。
こちらも北海道(石狩市厚田区望来)で採取しました。
1個体だけなので、やや貴重な個体です。

 

このハマトビムシです。
Im160916__10_x1_2560x1920

こちらは明視野像(上からの照明)で観察した画像です。

 

暗視野像もあります。
Im160916__10_x1_2560x19202

暗視野像では、短い第1触覚を確認できます。

 

こちらは第1咬脚です。
Im160916__10__x40_2560x1920

こぶ状の突起があります。

 

こちらは第2咬脚です。
Im160916__10_2_x40_2560x1920

不明瞭ですが、掌部に2つの突出部があります。
これはヒメハマトビムシ(Platorchestia platensis)
の特徴です。
ヒメハマトビムシの近縁種にニホンヒメハマトビムシ
(Platorchestia pachypus)がいますが、
こちらは第2咬脚掌部が波打っていること、
第7胸脚の長節と腕節が肥厚していることから
区別できます。

 

今回は第7胸脚の分離に失敗したのですが、
全体像を見る限り、肥厚しているようには見えないので、
ヒメハマトビムシ(Platorchestia platensis)と
同定して良さそうです。

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