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2016年10月10日 (月)

ユンボソコエビ属(Aoroides) 東京湾2016年8月採取

八景島シーパラダイスに近い場所で夜間サンプリングを行いました。
夜行性のヨコエビは昼間は巣の中に隠れていますが、
夜になると泳ぎ出します。
それをネットで捕まえます。
ヨコエビの他にもクーマやアミも採取できるので、
甲殻類採取には有効な方法です。

ただ、夜は波や足場の問題など色々な危険があるので
ヘッドライトなどの装備が必要です。
光に誘われて色々な虫もよってきますので、
虫刺されなどにも注意しましょう。

八景島ではフナムシやムカデが来ました。

さて、今回同定を行うのはこのヨコエビです。

Im160814__1_x3_2560x1920

第1咬脚が大きいことが特徴です。
おそらくはユンボソコエビ科(Aoridae)と思われますが、
もう少し細かく検討しましょう。
「日本海岸動物図鑑[II] 西村三郎 編著」によれば
ユンボソコエビ科は世界に35属、日本からは5属が知られているそうです。
今回も日本海岸動物図鑑に従って分類を進めていきます。

この個体を解剖しました。


Im160814__2_x2_2560x1920

まず第3尾肢から検討します。


Im160814__2__x40_2560x1920

画像の下側から第1尾肢、第2尾肢、第3尾肢になります。
第3尾肢は他の尾肢よりもやや短いですが、
双枝になっています。
このことから、ユンボソコエビ属(Aoroides)の可能性が高くなります。
(主要属のドロソコエビ属は単枝です)

次に第1咬脚を観察します。


Im160814__2_1_x40_2560x1920

日本海岸動物図鑑に記載されているブラブラソコエビ
(Aoroides columbiae)に類似しています。
ブラブラソコエビの第1咬脚は成長に伴う肥大化が顕著とのことです。

こちらは第2咬脚です。

Im160814__2_2_x40_2560x192


日本海岸動物図鑑のブラブラソコエビのイラストの第2咬脚と
若干異なるのが気になります。

第3胸脚です。
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第4胸脚です。
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第3胸脚と似ています。

第5胸脚です。
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しっかりした歩脚になっています。

第6胸脚です。
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細長い歩脚です。

第7胸脚です。
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もっとも長い歩脚です。

結論としてはユンボソコエビ属(Aoroides)で良いように思います。
ただ、近縁属のチェックも行う必要ありです。
特に近縁属のAora属とは第1触覚の副鞭の有無だけが異なるようなので、
チェックが必要です。
(ユンボソコエビ属(Aoroides)は副鞭がないそうです)
今回の個体は副鞭がなかったので、ユンボソコエビ属(Aoroides)で
問題ないのですが、ないものをないと判断するのは難しいことがあるので、
次回は触覚を詳細に観察しましょう。

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ヨコエビの同定記録」カテゴリの記事

コメント

Kamakaと申します。この種はブラブラソコエビAoroides curvipesです(A. columbiaeは日本には分布しません)。

コメント、同定ありがとうございます!
A. columbiaeは日本には分布しないのですね。
現在、来年春を目指してヨコエビの画像集のアップデートを行っています。
現在は下記のような状況ですが、次の更新で大幅にデータを追加できると思います。
http://plankton.image.coocan.jp/Crustacea3-2-1-3.html
その中にも、この情報を含めさせて頂きます。

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