2019年5月12日 (日)

書評:へんなものみっけ! 著者:早良朋氏

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昨日、国立科学博物館の大哺乳類展2を見学してきました!
鎖骨の有無などに関して骨格を比較してきました。
これだけの標本をまとめて見られるのは科博ならではですね。
スタッフの皆様、ありがとうございます。

さて、博物館の漫画といえば“へんなものみっけ!”です。

博物館で働く人々の日常を描いた作品です!
博物館というと色々な生物、物、資料を展示している場所という
イメージが強いですが、研究施設としての側面も大きいです。

いつ、どこに、何かが生息していた(存在していた)ことを
標本や資料として記録に残して
世界中の研究者や後世の研究者が利用できるようにする、
そういったことが博物館の使命だと思います。
単にコレクションを集めているだけじゃないんですよね~。

自然史系の博物館の基本にあるのは自然科学や分類学です。
最近は必要の無い学問扱いされることも多いですが、
そもそも人間にとっては最も大事な学問です。

例えば縄文人などの狩猟採集時代の人々は、
何が食料になって、何が毒かを知らなければ生きていけないわけで
それって分類学の始まりだと思います。

また、試料採取やコレクションも人間の本能と思います。
昔は昆虫採集で本能を満たしていましたが、
今は「ポケモン」ですね。
ポケモンは現代版の昆虫採集な気がします。

さて、話はだいぶ脱線しましたが、
「へんなものみっけ!」には、なりたかった私の理想の人生がありました。

登場人物も魅力的で、キヨス先生をはじめ、海洋生物や植物、
鉱物学などの様々な研究者が登場します。
彼らの楽しいこと、悩んでいること、大事なことに対して
いちいち感情移入してしまいます。
作者の早良朋氏のカバーエリアが非常に広いことに驚きです。

そして忘れてはいけない、薄井君、彼の自分探しも重要なテーマです。
彼の事務能力が私に備わっていたら、
私も研究者として生き残っていたかもしれない・・・。

その他にもポスドク問題なども書かれていて
この本がベストセラーになるような日本なってほしいなあ、と思いました。

個人的には「ツバメの神様」の話が好きです。
中学生のころ河原でシラサギを追い回していたことを思い出しました。

「ねこのしっぽラボ」でも、
たくさんの“いたんだ”を残していきます!

2019年5月 5日 (日)

ノコギリケンミジンコ(Eucyclops serrulatus)一碧湖:2019年3月

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ケンミジンコ第2段です!!
今回はノコギリケンミジンコ(Eucyclops serrulatus)です。
やはり伊豆半島の一碧湖で採取しました。
前回も書いた通りケンミジンコはとにかく動くので
生きている状態での撮影が難しいです。
とはいえ、エタノールで麻酔すると触覚が変な感じに曲がってしまうので、
やはり生きている状態で撮影したいです。

今回は奇跡的にフォーカスを変えての連続撮影に成功しました。
弱っていたのかもしれません。

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背面から同じ個体を撮影した画像です。
左右にある袋状の構造は卵のうです。

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こちらは側面です。
ケンミジンコは水が少なくなると横向きになってしまうので
側面の撮影機会は多いです。

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こちらは腹面です。
背面、側面、腹面の観察が終わったところで、
エタノールで麻酔して解剖します。
解剖は第4胸節と第5胸節の間に針を入れて切断するのですが、
今回はやや狙いを外してしまいました。
関節というよりは、第5胸節に針を刺してしまったようです。

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とりあえず切り離した後体部です。
ノコギリケンミジンコは腹部が長いそうです。
たしかに、前回のアサガオケンミジンコの腹部よりも細長いですね。
ただ、切り方が悪かったのか、受精嚢(貯精嚢)がわかりません。

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ノコギリケンミジンコかな?と思ったら尾叉を観察します。
2本の叉肢の外縁を観察するとギザギザの鋸歯があります。
この叉肢外縁の鋸歯はノコギリケンミジンコの特徴です。
日本淡水プランクトン図鑑のイラストにも一致するので、
この時点でノコギリケンミジンコしました。

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続いて第5脚です。
相変わらず貧弱ですが、
アサガオケンミジンコの第5脚とはかなり違いますね。
日本淡水プランクトン図鑑のイラストにも一致します。

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こちらは第4脚です。
なのですが、第4脚を外すときに第3脚もついてきてしまい、
どちらがどちらか分からなくなってしまいました。
なので第4脚?とします。

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第4脚?の連結板と内肢先端の末節です。
日本淡水プランクトン図鑑の記載と矛盾しません。
内肢先端の太い棘の長さが異なるところは、
日本淡水プランクトン図鑑のイラストに一致します。

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こちらが第3脚?です。
第4脚と第3脚は同じ形なので
はっきり言って区別できません・・・。

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第3脚?の連結板と内肢先端の末節です。
内肢先端の太い棘の長さが異なっていて、
こちらが第4脚だったとしても
日本淡水プランクトン図鑑の記載に一致します。

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ついでに第1触覚です。
アサガオケンミジンコのような膜状の構造はありません。

今回の解剖では残念ながらいくつか失敗をしてしまいました。
要領は分かったので、次は大丈夫だと思いますが、
もう少し練習が必要ですね。

2019年4月21日 (日)

アサガオケンミジンコ(Mesocyclops leuckarti):一碧湖 2019年3月

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3月に伊豆半島の一碧湖で採取したケンミジンコです。
解剖を行った結果、
アサガオケンミジンコ(Mesocyclops leuckarti)と同定しました。

ケンミジンコは科レベルでの同定は容易なのですが、
属・種レベルでの同定は難易度が高いです。
というのも種レベルの同定には第4脚、第5脚や
受精嚢(貯精嚢)の拡大観察が必要なのですが、
これらの観察には解剖が必要なのです。

具体的には第4胸節と第5胸節の間くらいでケンミジンコを切断し、
第4脚を全体部から分離すればよいだけなのですが、
ケンミジンコ自体が1mm程度の生物なので実体顕微鏡下での解剖が必須です。

技術的には一般的なヨコエビの解剖よりも難易度が高く、
ダニの解剖よりは容易です。

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ケンミジンコは生きている状態での撮影も難しいです。
動きが速いのでフォーカスや位置合わせを行っている間に
どこかに行ってしまいます。
動きを封じるために水の量を少なくすると写真のように横向きになってしまいます。

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こちらは原面から見た画像です。
側面や腹面からケンミジンコを観察すると脚が発達していることがわかります。
この脚を一気に動かして水中をダッシュします。
ピペットで吸い込もうとしても水流に逆らって逃げてしまいます。
ただ、捕まえる方法は意外に単純で、
ケンミジンコが入っているビーカーの水を少しずつ抜いていくと、
水がほとんどなくなって自由に動けなくなるまでビーカーに留まるので
その状態でピペットに吸い込みます。
ケンミジンコの脚力か人間の知恵か、みたいな勝負です。

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さて、こちらは解剖後の結果です。
太い部分は腹部、二股になっている場所は尾叉と呼ばれます。
腹部には幾つかの節がありますが、その中でもっとも長い節は
生殖複合節と呼ばれます。
ここには受精嚢(貯精嚢)があります。

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受精嚢(貯精嚢)の拡大像です。
といっても、この写真ではどこが受精嚢か分からないですね・・・。
写真中央あたりに多角形の構造が多数集まった場所がありますが、
そこが受精嚢で、その輪郭をよく見るとアサガオの葉の形をしています。
つまり、受精嚢の形がアサガオの葉に似ているので
『アサガオケンミジンコ』の名前が付いたわけですね。

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受精嚢よりも頭部側に第5胸節があります。
ここには第5脚があります。
写真は第5脚ですが、非常に貧弱です。
ただ、第5脚は種による違いが大きいので分類的には重要です。
日本淡水プランクトン図鑑のイラストと比較したところ、
羽毛状の棘が見難いもののアサガオケンミジンコとして
矛盾しないことがわかりました。

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こちらは第4脚です。
甲殻類の脚は二肢型といって2本セット
(内肢と外肢)になっているのが基本なので、
左右合わせて4本あります。
第4脚は左右の脚の間の第4脚連結板と、
内肢の先端の末節を観察します。

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第4脚連結板の拡大画像です。
たしか、左右の肢を連動させるための構造と聞いた覚えがあります。
ここも種による違いが大きいそうです。
一応、日本淡水プランクトン図鑑のイラストと同じような形でした。

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こちらは第4脚内肢末節です。
こちらも日本淡水プランクトン図鑑のイラストと同じような形でした。

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さて、最後に唐突ですが、第1触角の先端部です。
今までの解剖と全く関係ないですが、
アサガオケンミジンコ(Mesocyclops leuckarti)の場合、
ここに特徴があります。

すごく不明瞭な写真で申し訳ないのですが、
第1触覚の先端には薄い膜状の構造があり、
一部に半月型の切れ込みがあります。
この構造はアサガオケンミジンコ(Mesocyclops leuckarti)の特徴です。

結局、第1触覚を最初に見ておけばアサガオケンミジンコと
同定できるじゃないか、という話なのですが、
それであっても解剖して確認しなければならないのが分類学なんですよね。
とはいえ、アサガオケンミジンコかな?と思ったら
まずは第1触覚を観察すればよいのかな、と思いました。

 

 

 

 

2019年4月13日 (土)

伊豆半島サンプリング:2019年3月

3月14日~16日に伊豆半島に調査旅行に行きました。
主に下田付近で小さな生物の採取を行いました。
帰りに大室山によって火山巡検も行いました。

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良い天気でした!
ソメイヨシノではないと思いますが、桜も咲いていました。
TG5の深度合成モードで撮影した画像です。
花弁が少し2重になっていますね・・。
術写真じゃないので、まあ良い としましょう。

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まず訪れたのが下田エリアの爪木埼です。
写真の場所は爪木埼の北側エリアです。
とにかく海が奇麗でした。
波も穏やかだったので潮だまりでヨコエビを採取しました。

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こちらは爪木埼の別の場所です。
柱状節理で有名な場所です。
柱状節理を作る岩石は元マグマの火山岩です。
マグマが冷却するときに収縮によって亀裂が発達します。
このような亀裂を節理と呼びます。

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マグマの表面に対して垂直に節理が発達すると柱状節理になります。
6角形に亀裂が入るので柱状になります。
玄武岩質マグマが冷却するときによくみられますが、
ここの岩質は安山岩のようです。
安山岩が地下に板状に貫入した溶岩のようですね。

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この辺りは崩れた柱状節理の岩が転がっていて非常に歩きにくいのですが、
潮だまりでカニダマシなどを採取しました。
テッポウエビもいたのですが捕まえるときに失敗しました・・・。
うっかり鋏をつかんでしまい自切してしまいました。
エビ・カニを採取するときはソフトに扱わないといけないですね。
スナホリムシも捕まえました。
採取した甲殻類は現在冷凍中で観察待ちです。

この日は風が強かったのですが波が穏やかでよかったです。

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遠くに見える島は伊豆大島です。
昨年の調査旅行で行きました。

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右端に見えるのは爪木埼灯台です。
この時点で日が傾いてきて肌寒くなってきたので
1日目は終了しました。

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2日目は下田海中水族館周辺を探索しました。
赤根島の遊歩道を歩きます。
この日も風が強かった!

この辺りの岩質は凝灰岩みたいですね。
光が強くて色がわからないのですが、
淡い緑色をしているかもしれません。
緑色凝灰岩かもです。
層理がはっきりしているので水中堆積物かもしれません。
海底火山活動かな。
高温のマグマが海水に触れると急冷して自破砕溶岩という
特徴的な岩石ができたり、緑色になったりします。
グリーンタフもその一例ですね。

ところで、写真の露頭では断層を観察できます。
複数の断層が生じているので破砕帯といったほうがよいかも知れないです。

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断層を拡大しました。
逆断層かな。

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層理がよく見える場所です。
やはり水中堆積物かな。

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相変わらず波は穏やかで海はきれいです。
この場所でもヨコエビを採取しました。
砂浜でハマトビムシを採取したので、
GWにでも解剖するつもりです。
アミも採取できました。

2日目はここで終了です。

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最終日は火山巡検からです。
写真は大室山です。
夏なら緑色の草原が奇麗なのですが、春なのでしょうがないですね。
近すぎてよく分からないですが奇麗な円錐型をしています。
手前のリフトで登ります。
徒歩での登山は禁止だそうです。

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大室山の山頂火口です。
大室山はスコリア丘で5000年前の一回の噴火活動でできたそうです。
一回の噴火活動といっても数年間くらいは噴火が継続したようです。
伊豆半島北東部にはこのような小さな火山が70くらいも分布していて
東伊豆単成火山群などと呼ばれています。
大室山については様々な論文があると思いますが、私は
「およそ5000年前に東伊豆単成火山地域で起こった大室山噴火の推移と継続時間」
古谷野裕、早川由紀夫、町田洋(1996)地学雑誌、105(4) 475-484
という文献を読みました。
噴火活動の再現も書かれていて面白い論文でした。

ところで火口の中はアーチェリー場になっています。
風がないからかな。

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足元はスコリアがいっぱいです。
スコリア丘だから当然ですが、
昨年、伊豆大島で見た1986スコリア丘よりも規模が大きいですね。

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スコリアの写真です。
伊豆大島で得た知識によれば赤いスコリアは高温で酸化したものらしいです。
火口周辺のスコリアだから、当然といえば当然ですね。
スコリアは緻密で発泡が悪いように思えます。

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大きな岩、火山弾でしょうか。
表面には気泡が見られます。

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この部分はよく発泡していますね。

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これも火山弾でしょうか。
火口を一周する遊歩道に落ちていました。
落下の時にひび割れたように見えますが、
5000年間もここにあったのかな?
なんとなく新鮮そうなので遊歩道を作るときに現れたのかな。

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火山弾?の拡大です。

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見下ろすと伊豆シャボテン動物公園が見えました。
ここは周囲より少し高くなっています。
この部分には溶岩の湧き出し口があって、
ここから溶岩流が流出したそうです。
溶岩流は海まで達したそうですから、
この辺り一面、火の海になったでしょうね。
最近噴火した西ノ島みたいな様子だったのでしょう。

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写真中央に一碧湖(いっぺきこ)があります。
一碧湖も火山地形、というか火口です。
火口の窪地しかないのでマールに分類されています。
昨年、男鹿半島で見た一の目潟と同じですね。
この火口が活動したのは10万年前だそうです。
やはり東伊豆単成火山群の活動です。

なお、東伊豆単成火山群(伊豆東部火山群)の最も最近の活動は
1989年の伊東市沖の海底噴火です。
テレビで見た人も多いかもしれません。
この時の活動が沖合でよかったです。
このときの活動では手石海丘という海底火山ができました。
陸域で噴火が起きていたら激しいマグマ水蒸気爆発を起こして
一碧湖を小さくしたようなマールが誕生していたかもしれません。

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という訳で一碧湖に来ました。
ここではケンミジンコなどを採取しました。
珍しい藻類、ミクラステリアス(Micrasterias sp.)も採取できました。
ツヅミモ類が多数見つかったことから腐食栄養性の湖沼と思われます。

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一碧湖の崖(火口壁)では火山角礫岩の地層を見ることができます。
草が生えないように手入れしてあるみたいです。
ジオパークの見学者のためですね。

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最終日は最後に真鶴岬に行きました。
写真は三ツ石です。

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ここではカニ数種類とヨコエビを採取しました。
これらの甲殻類もGWに解凍して観察を行う予定です。
長期休みが待ち遠しいですね。

2019年3月16日 (土)

高崎観音山丘陵の土壌ダニ:2019年2月

高崎観音山丘陵の土壌(腐植)のダニ分析結果です。
例によって簡易ツルグレン装置でダニの抽出を行いました。

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ユメダニ属(Epicrius sp.)と思われます。
ヤマトユメダニ(Epicrius nemorosus)かもしれません。
オモゴユメダニ(Epicrius omogoensis)の背板はもう少し丸いようです。

ユメダニ属ユメダニ科(Epicriidae)に属しています。
日本ダニ類図鑑によれば“顆粒突起から成る網目状紋理と
顕著な側方の隆起顆粒をもち”とあります。
また、第1脚に先端が球状の感覚毛を持つことも特徴とのことです。
腹面には、顕著な前胸板があり、後胸板はありません。
生殖板と腹板が融合しています。
雄と思われる個体も見つけました。
珍しいトゲダニなので解剖はせずに、
エタノール標本にしました。

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アトツノダニ属(Asca sp.)と思われます。
クモマアトツノダニ(Asca nubes)かもしれません。
アトツノダニ属はマヨイダニ科(Ascidae)に属しています。
後縁に顕著な突起を持つことが特徴です。
後縁の突起から伸びる毛は羽毛状です。
生殖板の後縁は直線的で腹肛板が広いところなど、
細かな特徴も日本産土壌動物の記載と一致します。

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ツヤトゲダニ属(Gamasiphis sp.)と思われます。
日本産土壌動物の“ツヤトゲダニ属の1種”のイラストに良く似ています。
ツヤトゲダニ属はツブトゲダニ科(Ologamasidae)に属しています。
背板は1枚で、周気管板と側胸板が融合しているように見えます。
背板と腹肛板が後縁で融合する様子は確認できていませんが、
ツヤトゲダニ属で間違いないと思います。
同じツブトゲダニ科のマルツヤトゲダニ属(Stylochirus 属)は
周気管板と側胸板が融合しません。

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モリチョウコクダニ(Discourella silvestrisa)と思われます。
Discourella 属はイトダニ科に属しています。
背板中央の縦長の構造や、腹肛板の2対の網状彫刻肥厚域、
背板板の後端が左右離れて間に柔皮域がある特徴は
日本ダニ類図鑑の記載に一致します。
ただ、背板の3対の凹没部と外縁の毛の並びは確認できませんでした。
高崎観音山丘陵の試料からは複数個体が見つかっています。

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ササラダニだと思います・・・。
ヒワダニに似ているのですが、背面の皺が不明瞭です。
かなり派手な特徴を持っているので、
当初は楽に同定できそう、と思っていたのですが苦戦しています。
見当違いの分類群なのか、珍しい種類なのか、
いつかは同定できるのでしょうか。

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こちらも未同定のササラダニです。
タマゴダニの仲間に似ているのですが、
何しろ小さいので特徴がつかめていません。
未同定のササラダニが増えてきました。

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体長0.92mm、大型のササラダニです。
ヨロイジュズダニ(Tectodamaeus armatus)と思われます。
日本産土壌動物の記載によれば、
ヨロイジュズダニの体長は0.94mmなので一致しています。
太い棘状の背毛が特徴的です。
後縁の背毛は前方の背毛よりも細いです。

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ジュズダニ科の1種です。
ジュスダニ科を属レベルで確定するには肩突起の有無と、
脚の護毛の有無を調べる必要があるそうです。
次回、ジュズダニを見つけたら詳しく見てみることにします。
ただ、脚の脚の護毛の有無を判断するのは難しそうですね・・・。

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コナダニです。
コナダニは勉強不足で科レベルでの分類が難しいです。
もうちょっと目が慣れないといけないですね。

とりあえず、高崎観音山のサンプリングでは
新たにダニを5属見つけることができました。
もう少し腐植が残っているので再チャレンジできそうです。

2019年3月10日 (日)

高崎観音山丘陵(板鼻層)の巡検

先月の初めの事ですが、群馬県の高崎観音山に行ってきました。
山名八幡宮に参拝することが目的です。
以前にここで参拝してから腰痛が良くなったので、
毎年お参りしています。

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良い天気でした!

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さて、山名八幡宮は高崎観音山丘陵の東縁にあります。
高崎観音山丘陵は平野からの高さは100~150m程度のなだらかな丘です。
白衣大観音や、観音山ファミリーパークが有名で、
南側はゴルフ場など開発が進んでいます。
一方で、雁行川などの小河川沿いでは板鼻層(新第三紀層)の露頭をみることができます。

まず、雁行川上流の“千人隠れ”というポイントに行ってみました。

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落石防止のため近くに寄ることができず、
遠景写真になります。
分かりにくいですが、浸食によって下層がえぐられ小さな洞窟状になっています。
落ち武者が隠れたことが名の由来だとか。

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立ち入り禁止外の場所です。
凝灰岩層が浸食されて礫岩層が残っているようです。

この部分は渓谷になっていて冷たい風がながれています。
当日は暖かい陽気でしたが、谷底までは暖まらないみたいですね。
あるいは雁行川の冷水の影響かもしれません。

雁行川の川底には赤茶色の珪藻コロニーができていたので、
採取して顕微鏡で観察してみました。Planothidium lanceolatum(syn: Achnanthidium lanceolatum)や、
Ulnaria ulna(syn: Synedra ulna)などのおなじみの渓流生珪藻に混じって、
珍しい珪藻が見つかりました。

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Entomoneis sp.です。
生細胞なので細かな構造が見えにくいですが、
特徴的な形状なので属レベルでは間違いないと思います。
この珪藻のコロニーを見たのは初めてです。
今までは桧原湖で遺骸を数個体と海生の個体を見ただけでした。
こんなところに生息しているのですね。

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雁行川を下っていくと立派な露頭がありました。
工事現場を避けて近くに寄ってみます。

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浸食が続いているようです。
こういう場所では落石に注意が必要です。
新鮮な新第三紀層の露頭に近ずくと硫黄の匂いのような独特の匂いがします。
黄鉄鉱(FeS2)が風化して褐鉄鉱(FeO(OH)・nH2O )に変質するときに
硫黄が析出すると聞いたことがあります。
この硫黄が酸化して硫酸になると酸性土壌になったりするらしいですね。

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貝化石層がありました!
白く見えるところが貝化石です。

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少し近くに寄った画像です。
貝化石は断面で見えています。
風化が進んでいて取り出すのは難しそうです。
こういうところでは、化石の産状を観察することにしましょう。

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まず分かることは二枚貝の貝殻が1枚ずつ分離していることですね(離弁)。
貝が死んだ後に、水流にのって貝殻が移動したことを示しているので、
異地性の貝化石ということになります。
また、貝殻の凸面が下向きになっていることも
堆積環境を考える上でのポイントになります。
また、貝殻以外に目を向けると、砂から礫まで堆積粒子の粒が不均質であることが分かります。
地学では淘汰が悪いなどと表現します。

海岸や河原を見てみれば分かりますが、
一定の流れが続いているようなところは粒子の大きさが均質になります。
これは流速によって運ばれる粒子の大きさが決まっているからですね。
一般に流速の大きいところから運ばれた堆積物は
流速が遅くなるにつれて大きな粒子を落としていくので堆積粒子の粒が均質になります。

逆に、土石流などのように大量の土砂が一気に流れてきて、
イベントが一瞬で終わるときなどは
体積粒子の大きさが不揃いになるでしょう。
なのでこういった淘汰度も過去の環境を推測するための重要な指標になります。

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さて露頭を見上げてみると
層理面が張り出しているところがあり、
そこに葉の化石が露出していました。

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ここも落石の危険があるので写真を撮るだけにしておきます。
広葉樹の葉みたいですね。
葉の隣に“穂”のほうな化石もあります。

この近辺で土壌(腐植)を採取できました。
次回は観音山丘陵のダニのまとめを行います。

2019年2月16日 (土)

土壌生物の採取方法(トゲダニ詰め合わせ):川崎市2019年1月

前回のブログ記事の続きです。
自作の“DIY簡易ツルグレン装置”で採取したダニとトビムシを紹介します。
サンプルの腐植はお正月に近所の公園(川崎市)で採取したものです。
昆虫の幼虫とトビムシ、それにトゲダニ類を採取できました。
ササラダニが少なかったことが今回の土壌群集の特徴ですね。

まず、ハエダニです。
ハエダニ科(Macrochelidae)、ハエダニ属(Macrocheles sp.)と同定しました。
ねこのしっぽラボでは、ハエダニ属は2017年5月の新潟以来、2年ぶり2個体目です。
とはいえ、それほど珍しい種類ではないと思います。

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背板前端が突出しているか、そうでいないかでクチナガハエダニ属(Holostaspella sp.)かハエダニ属(Macrocheles sp.)かが分かれます。
本種の場合、やや判断が難しいのですが、
“日本ダニ類図鑑”と“日本産土壌動物”のイラストと比較すると
背板前端が突出しないハエダニ属(Macrocheles sp.)として良さそうです。

背板前端の背毛が1本失われていますね。
完全な標本はなかなか難しいです。

右下の画像は鋏角ですが、
細長い羽毛状の毛束があります。
“日本産土壌動物”の検索図説ではこの毛束を持つのは
ホコダニ科(Parholaspididae)とハエダニ科(Macrochelidae)になります。

では、ホコダニ科とハエダニ科をどう識別するかというと・・・。

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こちらは周気管後端の気門の拡大写真です。
周気管後端がくるっと湾曲してます。
これはハエダニ科の特徴です。

対して、ホコダニの周気管後端は直線状です。
過去の記事“トゲダニ亜目 ホコダニ科 ホコダニ属(Holaspina属) 茨城県2018年1月”をご参照ください。

ハエダニ科はトビムシや昆虫を補食するそうです。
今回のサンプルからはハエ・アブ類の微細な幼虫が多数見つかったので、
これらを捕食していたのかもしれませんね。

続いてヤドリダニ科(Parasitidae)です。

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背板が2枚に分かれていて、
大型の後胸板を持っています。
形態的にはEugamasus属に似ているように思います。

詳細な分類には背板毛と蝕肢の観察が必要なようですが、
ヤドリダニ科を初めて見たので見逃してしまいました。
なので、ヤドリダニ科の1種としておきます。
次回は属レベルまで持って行きたいですね。

ヤリダニ科(Eviphididae)です。

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ナミヤリダニ属(Copriphis sp.)と同定しました。
“日本産土壌動物”のコガネムシダニ(Copriphis disciformis)の記載に似ています。
周気管板の後端が幅広く、生殖板の後縁に達します。
第2~4脚の基節間は離れています。
(近縁のセマルヤリダニ属(Evimirus属)は第2~4脚の基節間が狭いです)
トゲダニにしては同定が容易なタイプですね。

こちらもヤリダニ科ですが、第2~4脚の基節間が狭いです。

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こちらはセマルヤリダニ属(Evimirus属)と思われます。
同じ場所にヤリダニ科の2属が共存していたのですね。
ねこのしっぽラボではヤリダニ科自体が初で、
一気に2属記載できました。

イトダニ科の1種です。

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Uroobovella sp.と思われます。
和名はタマゴイトダニ属でしょうか。
体長1.1mm。大きさ的にはキュウヒタマゴイトダニ(Uroobovella japanomarginata)に類似します。
日本ダニ類図鑑によれば胴長1.05mmとされています。
ただ、イトダニ科の同定は難しいので、
あまり自信がありません。
茶褐色で硬化が進んでいるので光が透過しにくく、
細かな構造の観察が難しいです。

小型のイトダニ科です。

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Uroobovella属に似ていますが、
図鑑の記載を読んでいても、これだっ、という確信がありません。
幼体かもしれないですし、個体数を増やして確認したいですね。

ホコダニ科の1種です。

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鋏角と気門の特徴を見る限り、
ホコダニ科なのは間違いないと思うのですが、
顎体突起と後胸板の有無を観察できていないので、
再観察が必要です。
採取地は家から徒歩圏内なので、後で採取しましょう。
蚊が発生する前に。

という訳でダニは終わりです。
初めて見るトゲダニが複数いたので満足度は高かったです。

続いてトビムシです。

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イボトビムシ科(Neanuridae)なのは間違いないですが、
細かな分類ができていません。
トビムシは多様性が非常に大きいので勉強が大変です。

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こちらはツチトビムシ科(Isotomidae)だと思います。
跳躍器が長いタイプですね。
トビムシの記載があっさりしていてすみません・・・。
興味が無いわけじゃないんですけど、
別の機会にちゃんとやりましょう。

2019年2月 7日 (木)

土壌生物の採取方法(DIY簡易ツルグレン装置)

土壌生物の採取をするには冬から春にかけての期間が適しています。
冬でも土壌生物は見つかりますし、
草が生えていないのでサンプルを採取しやすい。
そして何より蚊がいない!

そのような訳で今回は“ねこのしっぽラボ”で実際に使っている
土壌生物採取装置(DIY簡易ツルグレン装置)を紹介します。

まず材料ですが、こんな感じです。


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右側の上から、(1)金属製のざる、(2)用途不明のろうと、(3)プラスチック製の容器
この3つの部品でDIY簡易ツルグレン装置2号機を作ります。

左側は進化したタイプで、
(1)園芸用のフルイ、(2)プラスチック製の容器で、
これだけでDIY簡易ツルグレン装置3号機を作ります。

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それぞれ、こんな感じで組み立てます。
固定はビニールテープです。
途中で白色のビニールテープが無くなったので紅白のおめでたい感じになってしまいました。

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さらにアルミホイルで覆って遮光します。
この後、内部に各々150ミリリットルの水道水を注いでおきます。

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できあがった2号機、3号機を上から見たところです。
下のビニール袋にはサンプルの腐葉土が入っています。

冬になると落ち葉が積もりますが、
落ち葉の層と、土が接する辺りには黒く変色したボロボロの落ち葉があります。
この部分は薄いのですが、その部分(腐植)を採取すると
たくさんの土壌生物が見つかります。

また、採取場所ですが、森の奥深くに入って行かなくても、
車道脇の側溝付近で十分です。
側溝にたまった落ち葉を掃除するような感じで除去すると、
腐植が見つかることがあります。
さすがに町中の側溝は無理ですが、
山道の車道脇には落ち葉がたまっていることが多いですね。

今回は川崎市で採取しました。

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腐植を2号機、3号機に充填したところです。

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こちらが2号機の写真。
落ち葉が細かくなっています。
土壌生物が落ち葉を分解している証拠ですね。
2号機のザルの編み目は粗いので数mm程度の大型の土壌生物がターゲットです。

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3号機の写真です。
フルイの編み目が細かいので1mm以下のダニやトビムシの採取専用です。

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土壌を充填した簡易ツルグレン装置を風通りの良いベランダに放置します。
本格的なツルグレン装置は白熱電灯を照射して土壌生物をトラップに追い込むのですが、ねこのしっぽラボの方法は太陽光を利用します。
その代わり、3日~1週間ほど時間をかけて土壌生物を抽出します。
室内には置かない方が良いでしょう・・・。
大型のミミズなどが装置の外に出てくることがあります。

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1週間放置してカラカラになった腐植です。
今回の試料は土(鉱物)の成分がほとんど入っていないので、
乾燥するとすごく軽くなりました。

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2号機の写真です。

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3号機の写真です。


腐植がカラカラに乾燥したら網やフルイを解体して、
プラスチック製の容器の水を観察します。

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昆虫の幼虫やミミズなど大型の生物は水底に沈んでいます。
大型のササラダニやトゲダニも水底に沈んでいることが多いですが、
肉眼では観察が難しく、実体顕微鏡があると便利です。
だいたい生きています。
今回はハエ・アブの幼虫が多かったです。

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トビムシや小型のササラダニは水面に浮かんでいることが多いです。
白いホコリのようなものや、赤い粒がトビムシです。
トビムシは1mmくらいの大きさなので注意すれば肉眼でも動いていることが分かります。

今回のサンプルではササラダニはあまり見つかりませんでした。
逆にトビムシやトゲダニが多く見つかりました。
今回撮影できたトビムシやトゲダニは次回の記事で紹介したいと思います。

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ちなみにこちらは秋田県で採取した腐植で、
今回の試料よりも分解が進んでいます。
この試料からはササラダニが多く見つかりました。
腐植の分解の程度によって土壌生物の種類も変わるようです。
自由研究のテーマに良いかもしれないですね。

2019年1月27日 (日)

ゾエアとメガロパ

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横浜の金沢八景で2014年5月に採取したゾエア幼生です。
ゾエア幼生はエビ、ヤドカリ、カニなどの十脚類の幼生ですが、
写真のゾエアはカニの幼生と思います。
ただ、種や属の識別は難しいですね。

カニ類ではゾエアの次にメガロパ幼生になります。

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写真のメガロパは2017年8月に牡鹿半島で採取したものです。
種類は不明です。
ですので、最初の写真のゾエアとは種類が違う可能性があります。

ゾエアはカニとは全く異なる形をしていますが、
メガロパは立派なハサミを持っていてカニに似ています。
カニとの違いは腹部を伸ばしているところですね。

さて、ゾエアが脱皮を行ってメガロパになるわけですが、
ゾエアの何処にメガロパのハサミや胸脚が入っているのか不思議に思っていました。

ですが、ついに見つけました!

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ハサミを持つゾエアです。
どうやらメガロパになる直前の状態みたいですね。
胸脚もできています。
ハサミはゾエアの頭部や腹部に収まっていたわけでは無いのですね・・。
思いっきりはみ出してます。
このゾエアは昨年の夏に男鹿半島で採取したものですが、
写真を整理していて気がつきました。
写真を撮っているときは流れ作業なのであまり気がつかないものですね。

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こちらのゾエアも同じ時に採取したもので
胸脚ができています。

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こちらは同じ場所で採取したメガロパです。
時空間が一致しているので同じ種類かもしれないですね。

2019年1月 9日 (水)

クラミドモナス(Chlamydomonas sp.):2016年 霞ヶ浦

藻類の画像を整理していたら、
わりと綺麗なクラミドモナス(Chlamydomonas sp.)の写真があったので
ブログにあげておきます。

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2016年に霞ヶ浦で採取した個体です。
細胞の下側の赤い構造は眼点です。
細胞の中央にある楕円形の大きな構造はピレノイドです。
核と思われる構造がピレノイドの左側にあります。
さらにその左側、鞭毛の付け根には収縮胞があります。

ところで、クラミドモナスの写真を撮ると、
かなりの確率で眼点が真横を向くのですが、
なんででしょうね。

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