フォト
無料ブログはココログ

2018年6月16日 (土)

KAWAII系の生物(マルトビムシ亜目)

1_x100

前回の線虫がアレ系な生物だったので、
KAWAII系の生物を上げておきます。
マルトビムシ亜目の1種です。
うさぎさんみたいで可愛いですよね!?
脚が3対有りますが、それも萌ポイントですよね。

マルトビムシ亜目はかなり大きな分類群なので、
詳細な分類はできていません。
ミジントビムシ亜目と似ていますが、
触覚が頭の長さより長いことから区別できます。

正月に茨城県で採取したものです。
マルトビムシは小さいので肉眼で識別できるかどうか、
実体顕微鏡がお勧めです。

2018年6月 2日 (土)

ふなばし三番瀬海浜公園の線虫

101_


ふなばし三番瀬海浜公園で採取した線虫(センチュウ)です。
細かな分類はさっぱり分かりませんが、
線形動物門 線虫綱に属していると思われます。
干潟の泥のなかで生活しているようです。
甲殻類のサンプルに線虫がたくさん混入していたので、
干潟には大量に生息しているのかもしれません。

なんだか寄生虫に似ていますが、
それもそのはずでギョウチュウや回虫、アニサキスも
線形動物門のなかまです。

102_

今回撮影した線虫は卵を持っていました。
右下方向に7個の楕円形の卵があります。
ちなみに右上の先端が頭です。

103_

頭の拡大画像です。
種類によっては口壁の内壁に歯があったり、
口針があるようですが、よく分かりませんでした。
口から左側に向かって食道が伸びています。

104_

食道と腸の境界付近です。
ここには食道腸間弁という構造があるそうです。
(参考:日本産土壌動物)

105_

卵の拡大画像です。

106_

尾部の拡大画像です。
肛門は先端部から少し離れたところに開口しています。
先端には尾腺口があるそうです。

こんどは土壌中の線虫も観察しようと思います。

2018年5月19日 (土)

三番瀬サンプリング 2018年4月28日

GW初日の4月28日にふなばし三番瀬海浜公園に行きました。
三番瀬は千葉県(東京湾)の干潟で、
ふなばし三番瀬海浜公園は都心に最も近い潮干狩り場として有名です。

潮干狩り場に行って、小さな甲殻類の採取を行いました。
貝を捕らないのなら有料の潮干狩り場に入る意味はないですが、
土地勘が無いので有効利用させてもらいました。
現地にカメラを持って行くのを忘れたので、
干潟の写真がありませんが、すごく賑わっていました。

潮干狩り場を退場するときに貝の計量があるのですが、そこで
「貝を捕らないで他の生物を採っていたのですが、確認しますか?」
と聞いたところ、
「一応確認させてください・・・。」
とのことだったので、
“一個体、一個体じっくりと見てもらおう!”
と思い、保冷バックを開けたのですが、
中のガラス瓶の山を見たとたん、
「あ、もういいです!」
と言われました。
そうですよね、忙しいですよね・・・。

そして家に帰ったから気がついたのですが、
すごく日焼けしていました。
というよりも火傷でした。
色白サラリーマンには初夏の日差しは強すぎた・・・。

そんなわけで採取した甲殻類を記載します。

1_

まずは干潟の代表的なカニ、コメツキガニ(Scopimera globosa)です。
丸っこい形が特徴的です。
一個体だけ見つけました。
目が飛び出しているのですが、上からではよく分かりません。

2_

この向きからなら目が飛び出していることが分かります。

3_

次は“どこにでもいるカニ”の代表、タカノケフサイソガニ(Hemigrapsus takanoi)です。
ただ、小型個体なのでケフサイソガニ(H. penicillatus)と混同している可能性があります。

4_

こちらは腹側から観察した画像です。
腹面の黒点が小さく、数が少ないのでタカノケフサイソガニと同定しました。

コメツキガニ、ケフサイソガニの他に、
ヤマトオサガニ(Macrophthalmus japonicus )も採取できました。
ただ、一枚の写真に収まらず、複数枚のつなぎ写真で撮影しました。
まだ画像をつなげていないので、こちらはしばらくお待ちください。
あと、マメコブシガニとイシガニもいましたが、
これらは顕微鏡で撮影するには大きすぎるのでお持ち帰りしていません。
現場で大型の生物を撮影できるような良いカメラが必要かも。
といっても今回はカメラそのものを忘れていったので、
根本から失敗しています。

5_

ユビナガホンヤドカリ(Pagurus minutus )です。
ホンヤドカリに比べて歩脚の指脚が長いことが特徴です。
ユビナガホンヤドカリは干潟、ホンヤドカリは磯に多くいます。

6_

エビジャコ属(Crangon sp.)と思われるエビです。
東京湾にはカシオペエビジャコとウリタエビジャコが生息してるそうです。
三番瀬にはウリタエビジャコ(Crangon uritai)が生息しているそうなので、
ウリタエビジャコの可能性が高いとは思いますが、
同定ポイントが分かっていないのでエビジャコ属としておきます。

7__2

上から見たところです。
スジエビなどと比較すると額角が短いです。

8_

エビジャコ属第1胸脚の拡大写真です。
普通のエビ類の鋏脚とは異なり、
ヨコエビのような構造になっています。
このような構造を亜鋏状 (subchelate)と呼ぶそうです。

9_

こちらはクロイサザアミ(Neomysis awatschensis)です。
外見からはニホンイサザザミ(N. japonica)と区別が難しいですが、
尾節の形が異なるので、尾節をみれば簡単に識別できます。
今回も尾節の形からクロイサザアミと同定しました。
今回の三番瀬サンプリングではニホンイサザザミ(N. japonica)の雌も
1個体だけ採取しました。
ただ、多く見られるのはクロイサザアミのようです。

10_

続いてヨコエビです。
ヒゲナガヨコエビ属のモズミヨコエビ(Ampithoe valida)です。
実物はこの写真よりも鮮やかな緑色です。
雄の第2咬脚の掌縁には台形の突起があることが特徴です。

11_

ポシェットトゲオヨコエビ(Eogammarus possjeticus )です。
新鮮な個体はとても綺麗ですね。
三番瀬では普通に見られるヨコエビのようです。
今回のサンプリングでは、モズミヨコエビ、ポシェットトゲオヨコエビのほかに、
シミズメリタヨコエビ、アリアケドロクダムシも採取できました。

12_

ミツオビクーマ(Diastylis tricincta)です。
葛西臨海公園で最初に見つけて長らく不明種としていたのですが、
ようやく同定できました。
東京湾の干潟では普通に見られるようです。

今回採取した生物は何れも駄種で、レアなものはいないようです。
ただ、潮干狩り中に“何してるの~?”と見に来た方々に
ヨコエビやアミを見せると、“こんな生物がいるんだ~”とびっくりされるんですよね。
カニやエビは見つけても、ヨコエビやアミ、クーマとなると
普通には見つけにくいもかもしれません(小さいので)。

マメコブシガニを捕まえていた子供が多かったですね。
数の上ではタカノケフサイソガニのほうがはるかに多いのに、
無視されていたような・・・?

2018年4月15日 (日)

キタツチカニムシ(Allochthonius borealis ) 茨城県2018年1月

_1_2
_2

“カニムシ”という生き物を知っていますか?
大きな鋏を持っていることが特徴です。
サソリに似た形でインパクトがありますが、
大きくても1cm以下なので見たことがある人は少ないと思います。

サソリとの違いは長い後腹部を持たないことです。
サソリの“しっぽ”を切り離したような形に似ています。

今回は今年の正月に茨城県で採取した
キタツチカニムシ(Allochthonius borealis )と思われる
カニムシを紹介します。

_3
今回採取したカニムシは体長1.5mm、鋏角も加えた体長は1.8mmです。
日本産土壌動物によればキタツチカニムシの体長は1.7~2.4mmですので、
やや小型の個体と言うことになります。

眼(単眼)は体の側面にあります。
単眼は2対、4個有ります。

_4
側面から見た画像です。
眼は側面からのほうが分かりやすいです。
大きなザリガニのような鋏は蝕肢、眼の少し前方にもう一つの鋏“鋏角”を持ちます。

_5
蝕肢の拡大画像です。
蝕肢は動指と固定指でできています。
キタツチカニムシ(Allochthonius borealis )は動指の先端付近にだけ
ギザギザの歯が並んでいます。

_6
別の角度から。
固定指は先端から根元までギザギザの歯が並んでいますが、
動指の歯は中間部よりも先端方向にだけ並んでいます。
ここは近縁種のオウギツチカニムシ(Allochthonius opticus)との
重要な識別ポイントなので念入りに観察します。

_7
次に腹面からも観察します。
ツチカニムシ上科の歩脚は前2対が6節、
後ろ2対が7節です。
ヤドリカニムシ科は全歩脚が6節、コケカニムシ科などは
全歩脚が7節なので、ここも分類の重要なポイントです。

今回のキタッチカニムシはツチカニムシ上科 オウギツチカニムシ科
(Pseudotyrannochthoniidae)に属しているので、
前2対の歩脚は6節、後ろ2対の歩脚は7節です。
ただ、後ろ2対の歩脚の節の数え方は難しいので後で念入りに見てみます。

_82
腹面の構造を少し詳しく観察します。
体の最も前方にある鋏は鋏角です。

_8
鋏角の拡大画像です。
蝕肢と間違えやすいので注意が必要です。
鋏角はクモ、ダニ、サソリ、ザトウムシ、カブトガニなどが持つ共通の口器で、
鋏角を持つ生物をまとめて鋏角亜門と呼びます。
カニムシの鋏角は、鋏顎とも呼ばれます。

_83
次に歩脚の基節部分を観察します。
第1歩脚に棘があります。
これは基節棘と思われます。
ケブカツチカニムシ科は基節棘が第1,第2歩脚にあり、
オウギトゲツチカニムシ科は基節棘が第1歩脚にあり、
ツチカニムシ科は第2歩脚にあるので、
基節棘の位置はツチカニムシ上科の科レベルの分類に重要です。

_9
では歩脚の後ろ2対の節を数えてみます。
この倍率では難しいですね。

_10
まず根元から、1節目と2節目の境界(1/2)、
2節目と3節目の境界(2/3)、3節目と4節目の境界(3/4)を見ていきます。
3節目と4節目の境界には明瞭なくびれが無いので見逃してしまいそうです。

_11
次に4節目と5節目の境界(4/5)、5節目と6節目の境界(5/6)、
6節目と7節目の境界(6/7)を見てみます。
一応、6節目と7節目の境界(6/7)を確認できたので、
節の数は7節と分かりました。
本当は解剖して脚を切り離した方が変わりやすいかも知れないですね。

2018年4月10日 (火)

モンストリラについての問い合わせの返信

メールでモンストリラの問い合わせを頂いたのですが、
メールで返信してもエラーが起きてしまうのでブログで回答します。
電話は苦手なものですみません。

---------------------------------------------------------------
モンストリラを昼間に採取した経験は2例しかないので、
基本的には夜行性と思われます。
経験上、日が落ちてから2~3時間程度の間に採取できることが多いです。
懐中電灯で海面を照らし、集まってきた夜行性プランクトンを採取すると
モンストリラも入っています。

潮の満ち引きにはあまり関係がないようです。
宮城県から神奈川県までの太平洋沿岸で採取に成功しています。
新潟県では数回サンプリングを行っていますが採取できていません。
ただし、北海道の日本海側の岩内では見つかっています。
神奈川以西、新潟県以西では採取自体を行っていないので不明です。
季節性はあまり感じられません。
直近では、先月、伊豆大島の波浮港で採取しました。

地味な体色のモンストリラは太平洋沿岸に広く見られますが、
緑色や黄色の派手な色の種は神奈川県三浦市城ケ島や、
千葉県房総半島南房総市など黒潮沿岸域で見つかりました。

プランクトンネットに入ってくる頻度は多いものの、
個体数はあまり多くありません。
少なくともプランクトンネットは必須と思います。
外洋に面した港湾での採取が多いです。

夜間の磯は危険があるので、磯では採取していません。
---------------------------------------------------------------

2

2018年4月 1日 (日)

伊豆大島 生物調査と火山巡検

3月20日~22日に伊豆大島に行ってきました。
小さな生物の調査と、火山巡検が目的です。

午前中の便で大島、岡田港に着きました。
現地は生憎の天気でしたが、レンタカーで島北部の野田浜に行きました。

1_dscf3624

海岸で溶岩を見てテンションが上がります。

2_dscf3627

20日は風雨が強い悪天候でしたが、
波が低かったのと、干潮の時間だったので海岸での甲殻類調査を強行しました。
野田浜の周辺では、モクズヨコエビ科の1種(おそらく Protohyale属)、
アリアケドロクダムシ(Monocorophium acherusicum)、
ユンボソコエビ科の1種、ナガタメリタヨコエビ(Melita nagatai)、
ハバヒロコツブムシ(Chitonosphaera lata)、
イソコツブムシ(Gnorimosphaeroma rayi)、
ツツオウミセミ(Cymodocella nipponica)が見つかりました。
甲殻類ではないですが、海岸にはイソテングダニがいました。

ツツオウミセミ(Cymodocella nipponica)は“ねこのしっぽラボ”では
初めての記載になります。
海岸動物図鑑によれば、紀伊半島、朝鮮半島、南シナ海に分布とあるので、
黒潮系の生物かも知れません。
ナガタメリタヨコエビ(Melita nagatai)も初めてです。

海岸生物の調査は順調だったのですが、
海藻の生えたコンクリートに足を滑らせて、
頭を打って、手のひらに怪我もしたので、
海岸での調査を一旦打ち切りにしました。
次回からヘルメットが必要か・・・。

海岸調査を打ち切った後は火山巡検に切り替えました。
明日(21日)は悪天候が予想されていたので、
まずは三原山に行くことにしました。

3_dscf3630

残念ながら、山頂部は雲の中でした。
かろうじて1986年溶岩流を見ることができました。
天候の回復を待って出直すことにします。

4_dscf3636

次に地層大切断面に行きました。
ここには過去約1万5千年間の噴火記録が地層として残されています。
写真の下部には不整合も見られます。
地層の1枚、1枚が過去の大噴火の堆積物です。
こんな立派な露頭を見ると元地質屋の血が騒ぎます。

5_dscf3631

露頭(地層が現れた崖)の上部にはスコリアの層があります。
スコリアの層は浸食されやすいのか、えぐられています。

6_dscf3639

この付近からは利島が見えました。

この日の火山巡検はこれで終了。

この後、夜に波浮港で夜間ネットサンプリングを行いました。
波浮港にはコマセアミ(Anisomysis ijimai)、
トゲホホヨコエビ(Paradexamine barnardi)、種類不明のヨコエビ、
ウミオオメミジンコ属(Podon sp.)、ナギサスナホリムシ属(Eurydice sp.)、
サザナミクーマ属(Dimorphostylis sp.)、ナンノクーマ属(Nannastacus sp.)、
ウオノエの幼生、カイアシ類、貝虫類(ミオドコパ)が生息していました。

このうち、コマセアミとナギサスナホリムシ属は“ねこのしっぽラボ”では
初めての記載になります。

翌日は天気予報通りの悪天候。
とくに午前中は大荒れの天気でした。

7_dscf3647

島の西側の火山博物館の玄関から海側を見た様子です。
ここでしばらく火山の勉強をしました。
1986年の噴火で元町に温泉が湧いたことを初めて知りました。

8_dscf3650

火山博物館の後は島南部の波浮港に移動、
昨夜は写真が撮れなかったので改めて撮影します。
波浮港の入り江は9世紀中頃の噴火によるマグマ水蒸気爆発でできた火口です。
当初は火口と海の間はつながっていませんでしたが、
津波や工事によって外海とつながったそうです。
この頃には小雨になっていましたが、
風が非常に強い状態でした。

9_dscf3659

波浮港の海岸から見た崖です。
この崖は爆裂火口の火口壁なわけですね。

10_dscf3686

続いて南東部の筆島に行きました。
ごらんの通り、海は大荒れです。

11_dscf3661

筆島は数十万年以前の古い火山の名残だそうです。

12_dscf3683

筆島の近くには磯もありますが、
生物調査は無理そうです・・・。

13_dscf3697

続いて裏砂漠の方面に向かいました。
見ると道路脇には雪が・・・。
きっと午前中は雪だったんですね。

14_dscf3703

月と砂漠ライン入口はご覧の通りです。
砂漠じゃ無くて雪原になっていそうです。
チェーンがかかっていますが、立ち入り禁止ではなく、
車止めだそうです。
足跡が幾つかあります。

15_dscf3704

ただ駐車場がこんな感じで、
砂漠に行って戻ってきたら路面凍結していた、では洒落にならないので、
裏砂漠の散策はあきらめました。
この日はこれで終了。
次の日が最終日なので早めに寝ました。

16_dscf3712

朝食後、速攻でチェックアウトして三原山に来ました。
三原山頂口の駐車場はあいかわらずの天気です。
この場所は三原山の外輪山の縁にあります。

17_dscf3713

駐車場から少し歩くと中央火口丘までのハイキングコースの入り口があります。
そこからの眺めです。
三原山は雲の中です。
一昨日よりも条件が悪そう・・・。

18_dscf3714

気を取り直して、天気予報によれば回復傾向とのことですし、
ハイキングコースを進みます。
少し明るくなってきたかな。

19_dscf3715

突然、霧が晴れて三原山の中央火口丘が現れました。
1986溶岩流もはっきり見えます。

20_dscf3716

遊歩道は舗装されているのですが、
そこにカエルのタマゴがいっぱい落ちていました。
水辺が少ないし、昨日は水がいっぱいあったのかもしれないけど、
オタマジャクシになるのは無理そうですね。

20_dscf3717

退避壕です。
火山弾が飛んできたら隠れましょう。

21_dscf3720

1986年A溶岩の末端です。
このあたりは平坦な地形です。
溶岩流の周囲の植生が回復しているように見えます。
噴火が無ければ森林になるのでしょう。

212_dscf3722

1986年A溶岩の表面です。
溶岩流の表面はガサガサした石で覆われています。
溶岩流の表面は速やかに冷えて薄皮ができるのですが、
内部はまだ流動を続けているので、
薄皮は引き延ばされたり、逆に押されたりして
たくさんのひび割れができれ壊されていきます。
そうしてできた破片がこのような石になります。
この石をクリンカー、このような形態の熔岩をアア溶岩(aa lava)といいます。

22_dscf3724

1986年A溶岩の末端です。
溶岩流の末端もたくさんのクリンカーに覆われています。
1986年の噴火の時にはクリンカーの隙間から、
真っ赤な熔岩が見えたことでしょう。

23_dscf3725

三原山の中央火口丘を登り始めたところで、
後ろを振り向きました。
遠くに見える連なった丘は外輪山、
外輪山からハイキングコースが延びています。
黒々とした部分が1986年A溶岩です。

24_dscf3731

北西の方向を見ました。
近くに見える丘は1986年B火口列です。
この周辺の火口から激しい割れ目噴火が起きました。

25_dscf3733

三原山の中央火口丘の縁(内輪山)に到着しました。
ここには三原神社の神殿があります。
三原神社の隣には溶岩流が迫っていますが、
溶岩流は神殿を避け両側に分かれて流れていったそうです。
不思議ですね。
御神火のなせる業でしょう。

26_dscf3735

三原山の中央火口丘山頂部平坦面です。
内輪山に囲まれたこの部分は、
1986年の噴火時には溶岩湖になっていました。
黒々とした熔岩は溶岩湖の名残ですね。
噴火から30年が経過した現在では、
植生がわずかに回復しています。

27_dscf3748

三原山の中央火口です。
ほとんど霧に覆われて見えなかったのですが、
霧の隙間からわずかに火口壁を見ることができました。
なんというか“天空の城ラピュタ”のような風景でした。
1986年の噴火直後には熔岩で満たされていましたが、
1987年の噴火によって陥没し、
深さ200メ-トルの竪穴が再生したそうです。

28_dscf3751

中央火口近くの熔岩は滑らかな表面で、
縄状の模様がありました。
パホイホイ溶岩かもしれません。

29_dscf3753

ハイキングコースではアア溶岩(aa lava)の断面も観察できます。
熔岩の上部にはクリンカーの層があり、
内部には緻密な連続体があります。
連続体の下部にもクリンカーの層がありますが、
一連の溶岩流のものなのか、別の熔岩の表面なのか判断できませんでした。

30_dscf3755

内輪山付近では熔岩はアア溶岩になっています。
荒涼とした風景です。

31_dscf3756

内輪山のハイキングコースで平行な地層を見つけました。
火砕サージの堆積物に似ていると思います。
確か蔵王巡検で火砕サージ堆積物の見方を教えてもらったような。

32_dscf3757

近づいて撮影しました。

33_dscf3764

中央火口丘から下山して後ろを振り返った様子です。
1986年A溶岩がよく見えます。

34_dscf3768

こちらも振り返って撮影した画像です。
この頃から天気が悪くなってきました。

35_dscf3769

外輪山に到着する頃にはこんな感じになってしまいました。
霧がかかっているとオートフォーカスが上手く効かないようです。

36_dscf3805

続いて外輪山の外側の割れ目火口列(1986年C火口列)に行きました。
1986年11月21日に外輪山北西で発生した割れ目噴火の跡です。
約1キロメ-トルの間に11個の火口が並んでいるそうです。
ここはその内の1個です。

362_dscf3805

何がどうなっているのか分かりにくいので、
解説図を付けました。
スコリア丘ができていて、中央に火口があります。
右側の自動車と比較するとスケールが分かると思います。

363dscf3771

スコリア丘の火口の内部です。
30年の間にずいぶん木が大きく育っています。

364dscf3771

足下にはスコリアがたくさん落ちています。

37_dscf3783

1986年C火口列の別のスコリア丘の火口縁に立ちました。
向こうに見える崖が火口内壁です。
スコリアが高温で酸化したために赤色に変色しています。

38_dscf3791

別の位置から火口内壁を撮影しました。
30年立っても崩れていないので、
それなりに硬く溶結しているようです。
加工内部の植生は豊かです。

39_dscf3780

足下には大きな溶岩片(スパター)も落ちています。

40_dscf3804

これもスパターかもしれません。
やや発泡しています。

41_dscf3803

誰かが割ったスパターの断面です。
内部は発泡しています。

42_dscf3788

1986年C火口列からは元町がよく見えました。
ということからは元町からも、C火口列の噴火がよく見えたことでしょう。

43_dscf3809

火山巡検を終えて岡田港に戻ると、
良い天気でした。
ここに来て初めて青空を見ました。
綺麗な海です。
場所は日の出浜海水浴場(サンビーチ日の出)で、
ここでは打ち上げられたゴミに付着していたエボシガイの仲間を
見つけました。

44_dscf3816

干潮の時間帯だったので、
磯での生物観察も行いました。
ここでは、ウミミズムシ属(Janiropsis sp.)、
ナガタメリタヨコエビ(Melita nagatai)、イワガニ、
ヒライソガニを見つけました。

45_dscf3823

さて、帰路です。
行きは手前のセブンアイランド愛、帰りは奥のセブンアイランド虹に乗りました。
船と言うよりは飛行機のような感じでした。
帰りはかなり波があったにも関わらず、乗り心地は良好でした。

今回の旅は天候の影響をかなり受けましたが、
楽しめたと思います。
次回は天気の良いときに行きたいですね。

2018年3月18日 (日)

トゲダニ亜目 ホコダニ科 ホコダニ属(Holaspina属) 茨城県2018年1月

今週はトゲダニのなかまです。
1_im180128__2_x40
2_im180128__2_x40

このダニも今年の正月に茨城県で採取しました。
土壌中のトゲダニは主にセンチュウやトビムシを補食しています。
ハエの卵や幼虫、他のダニを補食するものもいるそうですが、
基本的に人間生活とは無関係な生物です。

トゲダニはどれも黄色や茶褐色で外見上は良く似ています。
トゲダニだ、ということはすぐ分かるのですが、
それ以上の分類はなかなか簡単ではありません。
写真のダニは外見上、ホコダニ科に似ているので、
ホコダニ科にあたりをつけて同定を進めていきます。
分類には“日本産土壌動物 分類のための図解検索 【第2版】 青木淳一編著”
を使用しました。

3_im180128__2_x100_200m

背面を拡大した画像です。
背中には背板と呼ばれる硬い殻があります。
背板の最前方にある毛がj1で、
その斜め下にある毛がz1です。

ホコダニ科にはz1を欠くものがいるので、
最初の同定に役に立ちます。
カマゲホコダニ属(Gamasholaspis属)、ホコダニモドキ属(Euparholaspulus属)、
はz1を欠くとされています(日本産土壌動物)。

ヘラゲホコダニ属(Holaspulus属)、コシビロホコダニ属(Naparholaspis属)、
ダルマホコダニ属(Proparholaspulus属)、ホコダニ属(Holaspina属)、
ヤリゲホコダニ属(Parholaspis属)
はj1とz1を持ちます。
写真の種はz1があるので、カマゲホコダニ属と
ホコダニモドキ属は除外できます。

ただ、z1は非常に弱く、
脚などを整える過程で倒れてしまったりして、
見えなくなってしまいます。
なので、最近は脚などを整える前にj1、z1を撮影しています。

以前の記事の“ホコダニ科(Parholaspididae) カマゲホコダニ属?2017年3月焼津市”
のホコダニはz1が見えないためにカマゲホコダニ属?としていますが、
実はz1が倒れてしまっていたために
別の属と誤認している可能性があります。
今回は慎重に行きましょう。

4_im180128__2_x40

次は腹面を観察します。
腹側には腹肛板、生殖板、胸板の3枚の板があります。

5_im180128__2_x100_200m

写真に板の名前を書き込みました。
わかりますか?
トゲダニの分類では、この3つの板が融合しているか、
あるいは分離しているかが非常に大事です。
写真の種は腹肛板、生殖板、胸板が分離しています。
さらに言えば、この3つの板の両脇にある周気管板とも分離しています。
この特徴を持つのはホコダニ属(Holaspina属)と
ヤリゲホコダニ属(Parholaspis属)です。

6_

生殖板を中心に拡大した画像です。
右側が胸板、左側が腹肛板になります。
胸板と生殖板の間には後胸板と呼ばれる小さな板があります。

7_

後胸板です。
直径10μm以下ですね。
低倍率では確認が難しいかも知れません。
ホコダニモドキ属(Euparholaspulus属)は後胸板を持たないそうです
(日本産土壌動物)。

8_

こんどは腹面の側面を観察します。
大きな丸い構造は脚の付け根です。
右から第2脚、第3脚、第4脚です。
第3脚、第4脚の間の側面に気門があります。
ホコダニ科の気門は単純な円形です。

9__2

気門の拡大画像です。
気門の構造も重要な情報です。

10_

次に鋏角です。
鋏角は動く“可動指”と動かない“固定指”でできています。
可動指の付け根に毛束と呼ばれる構造があります。
ホコダニ科の毛束は羽毛状です。
羽毛状の毛束を持つのはホコダニ科とハエダニ科ですが、
ハエダニ科は湾曲した気門を持つので、
気門を見ればホコダニ科とハエダニ科を区別できます。

11_

こんどは顎体突起です。
トゲダニの頭部というか、口器の付け根というか、
説明が難しい部分です。
はじめは顎体突起がどこのことなのか分からず苦労しました。
写真を撮っても分かりにくいのですが、
トゲダニ類の分類にとっては重要な部分です。

12_

分かりにくいので別の個体で再撮影しました。
矢印の部分に3つの突起があります。

13_

拡大して撮影した画像です。
焦点深度が浅くなったので逆に分かりやすくなったかもしれません。
さきほど、腹肛板、生殖板、胸板の形状から、
ホコダニ属(Holaspina属)とヤリゲホコダニ属(Parholaspis属)に絞りましたが、
3つの突起を持つのはホコダニ属で、
ヤリゲホコダニ属は中央の突起だけです。
この時点で、今回のトゲダニはホコダニ属(Holaspina属)と同定できたと思います。
種レベルの同定はさらに難易度が高いので、
今回は属レベルに留めておきます。

14_

こちらは分類にはあまり関係がないようですが、
腹面の前方にある叉条突起と呼ばれる突起です。

15_

これは背毛の拡大画像です。
ホコダニ属の背毛は単純な構造です。
ヤリゲホコダニ属(Parholaspis属)は槍状毛、
ヘラゲホコダニ属(Holaspulus属)はヘラ型の背毛を持ちます。

16_

こちらも背毛の拡大画像です。

以前の記事のホコダニ科もホコダニ属(Holaspina属)の可能性が高そうですね。

2018年3月12日 (月)

ハマトビムシ科:オカトビムシ(Platorchestia humicola)雄の解剖

1_im180107__44__x1_2mm

今年の正月に茨城県で採取したオカトビムシ(Platorchestia humicola)です。
オカトビムシはヨコエビのなかまですが、
森林の落ち葉の下などに生息しています。

ヨコエビは普通、水中で一生を過ごしますが、
オカトビムシを含むハマトビムシ科(Talitridae)は海岸や、
土壌など、陸域に生息します。
砂浜に打ち上げられた海藻を持ち上げると、
ピョンピョンと跳びはねる虫がいますが、
あの虫がハマトビムシ科のヨコエビです。

土壌に生息するハマトビムシは、
オカトビムシの他にも幾つかいるので
詳細な分類のために解剖を行いました。
分類には“日本産土壌動物 分類のための図解検索 【第2版】 青木淳一編著”
を使用しました。

2_im180107__44__x5_1mm

こちらは頭部の拡大画像です。
ハマトビムシ科の特徴は第1触角が短いことです。
昆虫もそうですが、陸域で生息するには
2対の触角は邪魔なのかもしれません。
オカトビムシは大きな眼を持っていますが、
洞窟に住むハマトビムシ科(イワヤトビムシ属)は
眼を失っています。
また、キタオカトビムシ属(Orchestia属)、
ヒゲナガハマトビムシ属(Trinorchestia属)、
オオハマトビムシ属(Traskorchestia属)の同定には、
第2触角の柄部に対して、
第1触角がどのくらいの長さがあるかも見ておく必要があります。

3_im180107__44__x3_1mm

いきなりショッキングな画像ですが、
矢印の部分の顎(喉)の輪郭も見ておく必要があります。
普通、顎(喉)の輪郭は底節板に隠れているので、
よく観察するには頭を分離する必要があります。
ホソハマトビムシ属(Paciforchestia属)は矢印の部分が、
緩く突出するそうです。

4_im180107__44_1_x40_500m

こちらは第1触角です。
柄部は3節、鞭部は4節ですね。

5_im180107__44_2_x5_1mm

こちらは第2触角です。
第2触角は長いです。
スナハマトビムシ属(Talorchestiaでは
第2触覚柄部の第3節に突起があります。

6_im180107__44__x40_200m

こちらは口器の一部の顎脚です。
あまり分類には使いませんが、一応写真を撮っておきました。

7_im180107__44__x40_200m

口器の一部の下唇です。

8_im180107__44__x40_200m

たぶん第1小顎です。

9_im180107__44__x40_200m

こちらが第2小顎だと思います。

92_

大顎です。

10_im180107__44_1_x40_500m

こんどは胸脚です。
まず第1胸脚です。
第1胸脚にはこぶ状の突起があります。
第1胸脚の構造は雄と雌で異なります。
写真の個体は雄です。
雌にはこぶ状の突起がありません。

12_im180107__44_1_x100_200m

第1胸脚の拡大画像です。

13_im180107__44_22_x40_500m

第2胸脚(咬脚)です。
雄の第2咬脚は大きいです。
雌は形が異なります。
オカトビムシを含むヒメハマトビムシ属(Platorchestia属)は
第2咬脚の掌部(鎌の部分が合わさる部分)の構造が大事です。
ヒメハマトビムシ(Platorchestia platensisには2個の突出があり、
ニホンヒメハマトビムシ(Platorchestia pachypusは緩く波打ちます。

14_im180107__44_2_x100_200m

第2咬脚第7節の拡大画像です。
第2咬脚の先端部分が細くなっています。
これはオカトビムシ(Platorchestia humicola)の特徴です。

15_im180107__44_3_x40_500m

第3脚です。
分類にはあまり関わりが無いですが、
一応写真を撮っておきました。

16_im180107__44_4_x40_500m

第4脚です。
ヨコエビは第3脚と第4脚が似ていることが普通です。

17_im180107__44_5_x40_500m

第5脚です。
ヨコエビの種類によっては第5脚の形状観察も大事です。

18_im180107__44_6_x4_1mm

第6脚です。
ハマトビムシ科(Talitridae)は第6脚の観察が重要になります。
とはいっても、脚の本体ではなく、
第6脚の基節と鰓の形状観察が大事になります。

19_im180107__44_6__x40_500m

こちらが第6脚の基節です。
矢印の部分の形状を観察します。
ヒメハマトビムシ属(Platorchestia属)は
この部分が“直角、または突起がある”そうです。
写真のオカトビムシの形状は直角に相当するようです。
ハマトビムシ科のほかの分類群は
この部分が滑らかに湾曲します。

20_im180107__44_6__x40_500m

こちらは鰓です。
ホソハマトビムシ属、ヒメトビムシ属、ヤエヤマオカトビムシ属、
ミズホトビムシ属は、第6脚の鰓が分類に重要です。

21_im180107__44_3_x40_500m

第3腹肢です。
第1,第2腹肢は同じ形状なので省略しました。
オカトビムシ(Platorchestia humicola)は
内枝・外枝の長さが柄部の70%以下、
ニホンオカトビムシ(Platorchestia japonica)は
内枝・外枝の長さが柄部とほぼ同長です。
この写真の場合、内枝・外枝の長さが柄部の70%以下なので、
オカトビムシ(Platorchestia humicola)で間違いないです。

22_im180107__44_1_x40_500m

こんどは尾部の構造です。
まず、第1尾肢です。
オカトビムシ(Platorchestia humicola)など、
ヒメハマトビムシ属(Platorchestia属)の多くは
第1尾肢の外枝に棘が無いですが、
ミナミオカトビムシだけは外枝に棘を持ちます。
また、幾つかの属では側端棘が他の棘よりも長いか、
あるいは短いか、同じ長さかが重要なポイントになります。
側端棘の形状も大事です。
ツメオカトビムシ属(Talitroides topitotum)では
側端棘がS字型になります。

23_im180107__44_2_x40_500m

第2尾肢です。
あまり重要ではないですが一応写真を撮っておきました。

24_im180107__44_3_x40_200m

第3尾肢です。
多くのヨコエビの分類で重要なパーツになります。
ハマトビムシ科でも、
オオハマトビムシ(Traskorchestia ochotensis)で
第3尾肢柄節の下縁に棘が無いことに対し、
ホッカイハマトビムシ(Traskorchestia ditmari)には
第3尾肢柄節の下縁には棘があるなど、重要なパーツです。
オカトビムシ(Platorchestia humicola)の場合は、
第3尾肢柄節の下縁に棘が無いようです。

25_im180107__44__x40_200m

尾節板です。
多くのヨコエビの分類で重要なパーツになりますが、
ハマトビムシ科ではそれほど重要ではないようです。

以上、オカトビムシ(Platorchestia humicola)の解剖でした。
ヨコエビの分類は面白いけど大変ですね。

2018年2月26日 (月)

アメーバ

データ整理をしていたら
アメーバの写真がありました。
Photo


ねこのしっぽラボでは、これまでに
微細藻類、珪藻、珪藻化石、甲殻類、土壌生物などの
画像カタログを作ってきましたが、
いつかは動物プランクトンもやらないとですね。

短時間露出で動きの速い旋毛虫でも
対応できるシステムがあると良いかな。

2018年2月18日 (日)

クマムシ(緩歩動物門)を見つけました。

_12_2

アパートの中庭からクマムシ(緩歩動物門)を見つけました。
クマムシの採取方法は簡単で、
コケを水に入れてピンセットでほぐしていくと見つかります。
水道水のカルキが強いと死んでしまうかもしれないので、
くみ置きの水が良いかもしれません。

写真のクマムシは横から見たところで、
少しずつフォーカスを変えながら撮影しました。
大きさは0.2mmくらいなので肉眼で見るのは難しいです。
顕微鏡では4対の脚と、その先の爪も観察できます。

_22


こちらの写真は同じ場所で採取したクマムシを
上から見た画像です。
側毛と呼ばれる長い毛と、背甲板があるので、
ヨロイトゲクマムシ科であることが分かります。

背甲板の形状で属レベルの分類ができるのですが、
今回は初めてなのでヨロイクマムシ科の1種としておきます。

«茨城県、1月2日の深夜サンプリング_2